憧れのU+1F356
グルメ系の中でも、異世界や架空世界、フィクション内の食事をメインに切り取った作品のみを蒐集したカテゴリです。未来の食事もここに入る可能性があるので、過去の食事も同様ですが、作品ごとのニュアンスで判断します。しかしまたこういう更新しにくい記事を作る……。
ジャンルの性質上ファンタジーかSFのどっちかになりますが、ホラーでもできないこともないかもしれません。料理方法などは現実世界と同一でも特に問題ないものとします。
ダンジョン飯(九井諒子)
冒険者たちは装備を整えて、ダンジョンへ潜る――しかし何事にも金がかかる。
主人公たちは色々あって、迷宮に潜むモンスターや植物を捕獲・採集しては調理し、賞味しながらダンジョンを奥へ奥へと進んでいくことになる。彼らは無事に目的を果たすことができるのか、そしてスライムやミミックは、果たしておいしく食べられるのか――?
明らかにこの手のマンガを増やした原因です。架空の料理マンガでありながらリアリティがあり、材料を入手するまでの過程もクリエイティブです。
4巻あたりからウィズやディアブロ的な黒さが漂い、前半とはまた違ったダークな魅力が引き出されていきます。首狩り兎回の悪夢感がすごい。
あと読んでると「富士見書房」という言葉が頭に浮かぶマンガです。九井先生はたぶんあのへんもお好きなんじゃないかという気がする。
「ハルタ」で2014年~連載。「このマンガがすごい! オトコ編」をはじめ、2016年に各賞を総ナメ。
試し読み コミックウォーカー
九井 諒子 KADOKAWA/エンターブレイン 2015-01-15
幻想グルメ(原作:天那光汰 漫画:おつじ)
あっけない死を迎えてスーツのまま異世界に転生した桂木俊一郎は、現世の知識と幸運な出会いを武器にして経済的に大成功を収める。そんな彼の生きがいは、メイドのシルフィンとともに異世界の様々なグルメを堪能すること――食い意地全開の主人公が様々な不思議料理を食レポする、異世界グルメファンタジー。
異世界ものを読むとよく覚える感想ですが手堅い。面白さの要素として「竜や魔法のいる世界と中世ヨーロッパ風の町並み」「獣人メイドとマイフェアレディ」「謎の食べ物の食レポ」「知識チートで文明ブースト」などがまんべんなく敷き詰められていて、ある程度の楽しさを常に保障してくれる作品です。
日常系ファンタジーでストレスなく読めるのがお好みであれば、割と満足できるのではないかと。料理ものとしてもなかなかクセのある素材が多く、味が想像つかない割に腹が減ります。原作は「健康で文化的な最低限度の異世界生活」という副題付き。
試し読み ガンガンONLINE
天那光汰,おつじ スクウェア・エニックス 2017-06-24
空挺ドラゴンズ(桑原太矩)
捕龍船で世界を股にかけ、龍を狩りながら旅をする龍(おろち)捕り。うまく獲れたら一攫千金、何より食べると龍は美味い!
ただし、ミスればこっちが食べられる――色んなファンタジーのいいとこ取り、グルメ系ファンタジー漫画の新たなる俊英。
龍が主体のマンガなので、料理ものとしては肉料理がメイン。ダンジョン飯ほど料理主体ではなく、しかし肉汁あふれる感じで読んでて腹は減ります。
飛空艇で旅をしながら龍を狩るという設定そのものが結構アツく、感覚的に男の人向けかも。絵的にどうしてもジブリを連想させますが、物語としては別物です。
試し読み アフタヌーン公式サイト
とんでもスキルで異世界放浪メシ(原作:江口連 キャラクター原案:雅 漫画:赤岸K)
王国を救う勇者たち――のついでに手違いで異世界に召喚されてしまったごく普通の会社員・向田剛志(27)は、異世界勇者としての特殊スキル「鑑定」と「アイテムボックス」、そしてスーパーから買い物ができるチートスキル「ネットスーパー」を武器に、護衛に異世界料理をふるまいながら世界を旅することになる。ところがその料理に目をつけた伝説の魔獣・フェンリルが突然現れ、(食べ物目当てに)彼と従魔関係を結んだことから、やにわに彼の存在は権力者たちの注目を集めることになる。
第2章”生姜焼きを作ったら何故か伝説の魔獣が従魔になった”(1巻収録)より
ネットスーパーはたしかにとんでもなく、異世界の需要を満たすことで金銭的にはほぼ無敵。実力的にもフェンリルは世界最強に近いので、安心して現地食材を活用した料理を食べながらの異世界旅行を楽しめる平和でチートな旅行ものとなります。絵はかなり上手く、料理もうまそうで読み味がいい。
世界をゆるがす争いからのんびり食い倒れ紀行までなんでもできる設定ですが、交易と料理と旅行記がメインのようです。バイオレンス描写は薄め、異世界呼ばれるならこういうのがいいです。原作は
小説家になろうの人気作。
試し読み コミックガルド
悪食令嬢と狂血公爵 ~その魔物、私が美味しくいただきます!~(原作:星彼方 キャラクター原案:ペペロン 漫画:水辺チカ)
硬くて臭くて腹を壊す魔物食……をなぜか趣味とする「悪食令嬢」メルフィエラ。若干爪はじきものの彼女は嫌々参加した遊園会で、魔物の血を求め狩り回る「狂血公爵」ガルブレイスと意気投合し、魔物食を振る舞う約束をして別れを告げる。ただの社交辞令だと思っていたが、ある日公爵から婚約の申し入れが届き――魔物食×貴族ラブコメのなろう系エンタメ作品。
話が軌道に乗るまでやや退屈なものの、魔物食が「人の役に立つ」ことに直結する舞台立て、今まで捨てていた食材が大変美味しく頂ける「アゲ」の快感が売り。ギャップ萌えラブコメとしてはガルブレイスにもうちょい冷血感が欲しいところです(このへんは絵見る感じ原作のほうが優れてるかも)。
魔物食は昆虫食的な「生理的に嫌」なものかと思いきや、美味ければOK! みたいな感じなので、周囲から見ると雑草喰ってるみたいな感覚なんですかね。「Palcy」で2021年~連載。
試し読み pixiv
水辺 チカ/星 彼方 講談社 2021年10月29日
星彼方/ペペロン 講談社 2021年04月02日頃
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ダンジョン飯、幻想グルメはアニメ化されてもいいレベルだと思う。