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ピンク色の鼻とモフモフしたおなか。笑えて泣けてひっそりと面白い、おすすめ猫マンガ

ネコと和解せよ

技術は戦争により発展しポルノにより普及するなどと言いますが、ことインターネットの世界においては猫の需要は圧倒的です。YOUTUBEでもLINEスタンプでもWEBコミックでも猫・猫・猫まみれ。こちらはそんな中でも読んでみて面白かった、おすすめ猫マンガセレクションとなります。
漫画家さんでも飼っている人はかなり多いようで、自分の家の猫について描いたエッセイだけでも結構な数が上梓されています。今んとこここではフィクションもノンフィクションも一緒くたにしてますけど、そのうち分ける予定。

鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!(鴻池剛)

友人がある日拾ってきた子猫を押し付けられたことから、突然猫のぽんたと一緒に暮らすことになった社会人漫画家・鴻池剛。はじめてなりに猫とのコミュニケーションを図るも基本威嚇か攻撃をされる日々、しかも日々技が多彩になっていく……。
「twitterの画面を落としてすぐ開くとフォロワーが数十人増えている」ほどの爆発的人気を獲得したショート猫ギャグ漫画、待望の書籍化。

″使い方”(1巻収録)より

基本収録内容はtwitterかウッドブックで読めますが、描き下ろしもあり。ウッドブックは鴻池先生個人のサイトで、猫以外の話題とか昔の全然有名じゃない頃の作品とかも発表されてるので、ぽんたしか知らない人も読んでみると結構楽しめるかも。


2巻からはもう一匹子猫のアルフレッドが追加され、ぽんたが先住猫としてアルフレッドを教育する大人になった一面を見せたり……は別にせず、相変わらずな感じです。
数あるtwitter系マンガの中で(国内では)たぶん一番有名な作品ですので、猫というかマンガ好きならぜひお試しを。

試し読み ウッドブック(鴻池先生のサイト)

猫mix幻奇譚とらじ(田村由美)

七勇者のひとり、パイ・ヤンは、凶悪な人類の天敵「ねずみ」との争いに浪費される日々の中、ふいに一年の休暇を得て故郷への旅路を急ぐ。
しかし彼の故郷はねずみによって滅ぼされ、息子は「魔法のねずみ」によって連れ去られていた。かくして始まる奇妙で過酷な旅のお供は、魔法のねずみによって半人化された猫mixのとらじ。

“卵と宝石と大食いねずみ”(4巻収録)より

BASARAや7seedsで満足できない田村先生中毒患者にも満足できるだけの内容を持つ、独創性とメルヘン要素に満ちたダークファンタジーの良作です。

デジタル作画でふわふわに仕上げられたとらじは愛らしいですが、「かわいいだけではない」猫の魅力を味わいたい方はぜひ一読を。

試し読み コミックシーモア

みけねこ鍼灸院 (胡原おみ)

鍼灸院となぜかコーヒー限定の喫茶店も営む高良山(たからやま)先生の太くて優しい飼い猫玉こんは、悩みを抱える人を見つける特別な力を持っている。人の心を静かに蝕む痛みを静かに癒す、山間の静かな村で営まれる日常ヒーリング・ストーリー。



珍しくハートフルなマンガを読んでみた格好ですが、これは面白かったです。玉こんが寄り添う人は今回はどんな悩みを持っているのか……? というなにげにミステリ的な構造を持つんですが、この悩みのサイズが「ちょうどいい」。大騒ぎするほどでもなくしかし切実で、キャラクターと一緒に読者も少し癒されるような絶妙の按配です。

ちょっとした悩みというのは気付いてもらえた時点で「孤独ではなくなる」というひとつの解決を見るので、ある意味このデブ猫はチートキャラですね。優しい世界観の中で時々ちらっと見えるユーモアもいい味を出してます。全2巻。

試し読み ソク読み

夜廻り猫(深谷かほる)

今夜もどこかで涙の匂い……なぜか人語を介する野良猫・遠藤平蔵。ひとり戦い傷つく人々のところにおもむろに現れては、そっと寄り添い話を聞く。笑顔で背中に傷を負いながら――twitterで2015年に連載が開始され、高い評価を得て書籍化された1ページ完結8コマ猫マンガ。



生きることのつらさ、大変さに対して「話を聞きに行く」遠藤の存在はただそれだけでなぜか頼もしく、癒し系マンガとして出色の出来。たとえば上司に怒られた青年を「おまいさんはがんばっている」ととりあえず励ますのは見ようによっては無責任なんですが、そういう「正しさ」にちょっとうんざりしてる人が多いのかな、と読んでてふと思いました。最近余裕がない人は、読むと少し視界が晴れるかもしれません。


実際視界が暗くなっている時に、悩みを聞いてもらうと気が楽になります。しかしそこをグイグイ「何か悩みがあるだろう」とこられても困るわけで、そのへんは猫だから許されてる感ありますね。

試し読み モアイ

伊藤潤二の猫日記 よん&むー(伊藤潤二)

伊藤潤二、またの名を「J」――婚約者A子と新居へと移り住み、猫二匹を迎え入れることになった彼の生活をつづるエッセイは、かわいらしい猫ちゃんとのほほえましい毎日にも関わらずなぜかホラー風に仕上がってしまう。ホラー漫画家の知られざる猫煩悩暮らしを描き、話題を呼んだ猫マンガ。

もう伊藤潤二が猫マンガを描くというだけで情報量として十分で、ほとんどセルフパロディみたいなもんですね。よんはなかなか不気味な猫ですがまあかわいく、むーは非常にかわいらしく、そして婚約者のA子は容赦なくホラーテイストで描かれています。なんで常に白眼なんだ。

ホラー苦手な方にも読みやすい作品ですが、伊藤先生のマンガはホラーであると同時に不条理劇成分が強いので、そういう意味ではこれもしっかり伊藤作品の文脈上にあるといえます。その不条理の中に伊藤先生自らはまり込んじゃうわけですけど。
2009年刊行、全1巻で完結。2019年に続編短編が発表されました。

試し読み 講談社コミックプラス

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rokuro

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