なんらかの身体障害(ハンディキャップ)を持つ人物が主人公やキーパーソンを務めるマンガのセレクションとなります。色々難しいところを孕むジャンルですがそこは本題ではないので、当サイトに差別的意図はない、とだけ書いておきます。タイトルからして別に障害者でも障がい者でも障碍者でもいいんですが、このへんの呼称からして統一されていないので時世を見て修正します。不快に思われるようならご容赦ご指摘願えれば幸いです。
現状では障害の種類はあまり限定してないですが、そのへんも様子見て考えます。
何をやってもうまくいかなくなっちまったのは、いつからだろう。バスケも高校もドロップアウトした野宮朋美は、偶然出会った車イスバスケの男、戸川清春と成り行きでバスケ勝負をすることになる。そこで見たのはひ弱な「障害者」のイメージを覆すスピーディなプレイ――バスケ漫画の大御所が斬新な切り口で挑む、パラリンピック系スポーツ漫画の最高峰。
クラスに、耳の聞こえない女の子がやってきた。明るくクラスの中心的存在だった石田将也は、彼女――西宮硝子にちょっかいをかけるが、それは聴覚障害者へのいじめへと変貌していくことになる。複雑な感情を抱えるふたりが再開することで生まれるドラマを描く、変形ボーイ・ミーツ・ガール。
あるイベントに参加したことをきっかけに、軽い気持ちで「聴覚障害」についてのドキュメンタリーを描くことになった吉本先生は、小学館コミック局のさくらい氏とともに多くの聴覚障害者のインタビューを開始する。時は2016年、2014年の佐村河内守氏によるゴーストライター事件の余韻冷めやらぬ時期であり、彼らは伝手をたどって佐村河内氏にインタビューを申し込むことになるが……彼は本当に「聞こえ」ているのか? 数値と本人の証言の乖離は何を意味する? 一般に知られざる「難聴」「耳鳴り」の実態をマンガというメディアの特性を生かして再現し、多くの反響を呼んだドキュメンタリー、全3巻。
同時並行で映像作家の森達也氏もドキュメンタリー(「FAKE」)を作っており、マンガ内にもちょっと登場。自分が撮影される側に回る恐怖、あるいは真相を追い、それをマンガとしてアウトプットすることへの葛藤なども盛り込まれ、ただのお勉強マンガではない迫るような面白さがあります。オススメ。
試し読み ビッグコミックBROS
目の下についた傷と喧嘩っぱやさから、周囲に恐れられる「黒ヒョウのモリ」こと黒川森生。そんな彼が突然恋に落ちたのは、盲学校に通う「弱視」の女子高生赤座ユキコだった。普通のデートもできない相手を本気で好きになるわけがないと、はなからやさぐれムードのユキコだったが――各種webコミック媒体で好評を博した、社会的マイノリティをテーマに据えたラブコメ。
試し読み マンガハック
他人の感情に敏感過ぎて仕事でも恋でもダメを喰らい、ほとほと自分に嫌気がさしてしまったOL・紺野ナオ。そんな彼女は盲目の風変わりな男・山崎のどこまで本気かわからない言葉に乗っかり、盲導犬歩行指導員の募集に応募する。しかし彼女の前に現れるのは、人といい犬といいクセモノばかり。生存率25%といわれる過酷な職場を耐え抜いて、彼女は一人前の指導員になれるのか?
ただちょっと場当たり的な印象もあります。展開のためにキャラの性格ねじまげられることがあるというか……。
あと、犬の絵はめっちゃ上手いです。盲導犬訓練に興味はなくても、犬好きなら一読の価値はあるかも。全4巻で完結、Kindle Unlimited対象作品。
試し読み コミックシーモア
生まれつき両腕が欠損した女子高生・柚木崎遼は、ある日道端で謎の男・白鷺飛鳥と出会う。自分に対して好奇心も同情も示さない彼に温和な口調で誘拐(家出)をそそのかされた彼女は、男の住むマンションで軟禁という名の同棲生活を送ることになるが、白鷺が彼女を連れ去った理由が明らかになるとともに、陰惨な彼の過去も次第に物語の中核へと滑り込んでくることになる――
試し読み pixivコミック
この春高校生になった大島志野にとって、自己紹介は恐怖でしかない。緊張すると言葉はつまり、どういうわけか母音はうまく発音できず、壊れた機械のように「お」だけが繰り返し口を出る――吃音症を題材にした一巻完結の青春マンガ。
連載時期は「惡の華」と同じくらい。読者の心をざわめかせる心理描写は既に確立されていて一気に読まされます。上手いんですがただもうこれは話としてどうこうというより一種の膿出し、ルポ漫画に近いという感想で、何はともあれ生々しい。
試し読み Ohta Web Comic
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