すごく昔でうろ覚えなんですがたしか「フルメタル・パニック」で、軍人に日本は豊かで戦争がなくていいですねみたいなことを言われたヒロインが「でも自殺で毎年3万人ぐらい死んでる」と答えて軍人が驚く、みたいなシーンがあった気がします(あと、たしか電子レンジで発信機を壊してた)。幸福というのは物質的な豊かさ、あるいは治安の良さとはイコールではないという話ですが、しかし実際にインフラ崩壊して病院もなくて食料もなくなったらどうよ? あるいは夜になると狼や鼠がうろうろしていて赤ん坊が朝起きると大変なことになってたらどうよ? というようなのが割とリアルに疑似体験できるジャンル、それがサバイバル漫画です。
主にポストアポカリプス、終末系、デスゲーム、新日常系、ゾンビ及びモンスター、たまに無人都市あたりとモロ被りするんですが、ポストアポカリプス「なのかどうか微妙」とか、デスゲーム「っぽいけどルールがない」とか、被っても「生き延びることがメイン」の作品とかがここに集結する感じです。
※「掲載作品」として紹介している作品は掲載が終了している可能性があるので、悪しからずご了承下さい。
このジャンルの代名詞的名作。突然世界的な大地震に巻き込まれ、無人島でただひとり目覚めた鈴木サトルが、食料問題、衣食住、鼠や熊などの猛獣、病などに悩まされながらもたくましくその日その日を生き延びていく姿を描いたさいとう先生の代表作のひとつ。
グロ描写はほとんどないですがハードな展開が続く中、色んな意味でコメディリリーフ的な犬のシロが登場するあたりから作品のカラーが少し明るくなります。犬が登場するサバイバルは外れが少ない。
地球へ接近しつつある小惑星「ウィルビー」――テレビ地方局の報道部に勤める「変人」大友海里は友人の天体・衛星軌道観測の第一人者鳩山に至急の招きを受け、キャップの内海とともに彼のこもる天文台へと山道を向かう。そこで見たのは「ウィルビー」にミサイルを打ち込むという某国の極秘実験だった。大スクープに狂喜する内海とは裏腹に、大友と鳩山はその光景に胸騒ぎを覚えていた。そして危惧は実現してしまう……内部に圧縮されたガスを噴き出した隕石が、地球へ衝突する方向へ軌道を変えるという形で。
サバイバルでは描かれなかったカタストロフの明確な原因、崩壊初期の混乱などがリアリティを持って描かれているのが特徴。序盤はかなり面白いんですが後半と終わり方は微妙。
SPコミックで全5巻、文庫で全4巻。2015年にコンビニコミック(上下巻)として再発売時一部の内容がゴッソリ抜けていて、謝罪騒ぎとなり一時期その部分が無料公開されていました(現在は削除)。もうそうそう見かけないとは思いますが、古本派の方などは一応注意。
突然の飛行機事故で孤島に流れ着いた女子高生四人。救助は来ない、火はない、シャワーもない、トイレもない、食べるものはない、安全な寝る場所もない、それどころかまず水がない。普通なら衰弱死一直線の状況だったが、たまたま元軍人の父にサバイバル技術を仕込まれた遭難のプロ・鬼島ほまれが四人の中にいたことから、シビアでゆるい四人の無人島サバイバルライフが幕を開ける。
試し読み ヤングマガジン公式サイト
突然のバイオテロによる感染症の蔓延で、急激に日本は治安を失いつつあった。人一倍食事にうるさいフランス帰りの都田エリは謎のゲテモノを食す社員・木野耕一とともに会社に取り残され、成り行き上彼と行動をともにすることに。そして開陳される身近で採れる野食の世界……!
試し読み ビッグコミックBROS
修学旅行の岐路の大地震により、地下トンネルの電車内に閉じ込められた青木輝、瀬戸憧子、高橋ノブオ。底知れぬ暗闇の中をさまよううちに、少年たちの精神は均衡を崩し始める。瓦礫と死体の山を乗り越えて先に進んでも、その先には何もない……恐怖と絶望による人間性の本質と崩壊を描く、ホラー寄りサバイバルアクション。
時は平安、孤島鬼島。かつて事故で姉を亡くした島民・トラゴの元に、姉そっくりの女性・マナメが流れ着いた。不吉とされたマナメをトラゴは密かにかくまうが、はたして島神の怒りを招いたかのように島の異変は続く。逃げ場のない島の中で不安を募らせる島民たちの中、トラゴは思い悩む――マナメを殺すべきか、否か?
小道具にちゃんと設定の必然性があるし、悪役も端役も人間味が感じられます。「ビッグコミックスピリッツ」で2003~2005年連載、全5巻で完結。
類似作 自殺島(森恒二)
試し読み 小学館eコミックストア
増えすぎた自殺志願者が送られる絶海の孤島「自殺島」。国から見捨てられ、あらゆる権利も義務も失った彼らは、あるものは再び死を選び、あるものは無法者へ、あるものは生きるための努力を通じ、日々の中に自らの役割と居場所を見つけ始める。狩人として成長していく主人公を中心に、生きることを直球でテーマに据えた孤島集団サバイバル。
試し読み 白泉社公式サイト
憧れの琴音先輩と訪れた無人島――のはずの絶海の孤島、神顎島。そこで出会った人の好さそうな釣りをする男に突如襲われ、大鷹琥郎の撮影旅行は下心に満ちたラブコメから一転、生き残りを賭けたサバイバルへと突き落とされることになる。連れ去られた琴音先輩を救うため、琥郎は単身島の奥へと突き進むことになるが、出会う住民は全員殺人鬼、しかも概ね濃い口の変態ばかりなのであった。
試し読み マガポケ
祖母の葬儀のために帰省した「平坂村」。7人の親族が集まった忠村家で、急速に怪異は進行していく――夜家の中で灯る蛍火、動き出す死体、ふたつに増えた太陽、村を取り囲む謎の霧、消えた住民たち……。彼らが足を踏み入れたのはどこなのか? そして無事に現世へ帰ることはできるのか? 竜騎士07が仕掛ける閉鎖空間サバイバル。
この手の作品の難しいところですが、おそらく他の人の作画だとかなり安っぽくなったであろう場面もあり、そのへんは小池先生さすがだなと思います。端的に「悪夢を見た」という読後感を残し、全4巻でテンポよく完結。巻末のサバイバル知識が地味に有用。
試し読み pixivコミック