俺の声を聞けー!
アニメ、ラジオ、ナレーションにゲームに主題歌に朗読と、気付かぬうちに色んな場所でご活躍を耳にする声優を扱ったマンガカテゴリです。近年はビジュアル重視の傾向もどんどん高まり、グラビアで見かけることもしばしば、下手するとアイドル活動してたりもします。元々演劇カテゴリの一部でしたが、独立して個人事業主となりました。
職業としてはかなり人気で、それを受けてかマンガの題材としても意外と人気がありますがあくまで「意外と」。たぶん作品数はぜんぜん増やせないだろーなと思います。ただ職業柄マンガとかお好きな方も多く、自分で描いたりする方もいらっしゃるようなので、そういうのも探していければ案外発展の見込めるカテゴリなのかも?
天使とアクト!!(ひらかわあや)
学業優秀だが傲岸不遜、天使のように清らかな声と天性の暴言センスを併せ持つ男子高校生・凰生為人(いくるみあくと)。彼が中学生にして注目を集める天才声優・春坂なりと出会ったことから、突然彼の人生に「声優」という道が拓き出す。しかしそれは、政治家の父が用意した人生のレールから外れることを意味していた。
声優業の厳しい現実を描きつつ、コミカルな描写で読者を惹きつける少年誌らしいお仕事ものです。軽い気持ちで読んだら予想外にハマりました。
声優限定ですが演劇論にも多く触れ、養成学校や面接で出される「課題」に対してそれぞれが機転をきかせる展開、あるいは役を掴むべく手段を選ばないアクトの暴走が楽しいマンガです。後半に入るとプロ同士のパワーバランスやラブコメなども打ち出してきますが、演技と同時にアクト自身もアップデートされていく展開はまさに王道。話の都合でご都合成分高いのが玉に瑕ですが、おすすめです。
「週刊少年サンデー」で2015~2018年連載、全17巻で
完結。 試し読み サンデーうぇぶり
それが声優!(原作:あさのますみ 漫画:畑健二郎)
「自分の夢の中で、一番むずかしい仕事にチャレンジしよう」――地味な見た目にひそかな熱意を秘めて、声優の世界に飛び込んだ一ノ瀬双葉。業界独自のルール、飛び交う専門用語、引きだしにない無茶ぶり……バイトしながら夢を追う新人声優の目を通して、声優・浅野真澄の経験に基づいた収録の舞台裏を披露するお仕事コメディ。
風邪を引くとおおごとになるとか遅刻がシャレにならないとか、声優業にまつわる仕事としてのプレッシャーが多く取り上げられるのが特徴。双葉以外の声優も多数登場し、ユニット組んだりラジオやったり声優の仕事が幅広く取り上げられ、声優あるあるネタがこれでもかと開陳されます。堀江由衣、たかはし智秋など実名の人気声優も数名出演。
https://twitter.com/hatakenjiro/status/895619181491625986?ref_src=twsrc%5Etfw 開陳したいエピソードのためにキャラを作るので、用済みになったサブキャラは一瞬出たきり音沙汰なくなったりもしますが、まあ細かいことです。
元はあさの先生の企画に畑先生が参加、2011年に同人誌版を頒布開始。これが後に書籍化され、最終巻が2017年に発売されましたが、翌2018年におふたりが結婚というある意味完璧な締めくくり方で幕を閉じました。書籍版は全5巻で
完結。
試し読み DMM電子書籍
畑健二郎/あさのますみ ローソンHMVエンタテイメント 2015年07月08日
ダストボックス2.5(高津カリノ)
実力だけは高いが変人ばかり集まる声優事務所「ダストボックス」へ新人声優として入所した神静真。そこで出会うのはイタコにオネエにストーカー、遅刻常習者の自由人……新人声優の受難の日々とその周辺の変人たちを描く、声優(とちょっと漫画家)業界4コママンガ。
人間関係が複雑にこんがらがり、その中で微妙に変化しながら同時並行でラブコメとギャグが展開されるなど概ね「WORKING!!」(他)の声優版といった作り。読んでるうちに段々前提が積みあがって面白くなってくるあたりも共通。
高津先生は登場させたキャラクターがハマるかどうか次第みたいなところはあるんですが、クオリティが安定していて大体どれも面白いです。
神くんの声にベタ惚れで彼を動揺させるために濡れ場を全力で演技したりとか、そういうメンタルから責めるようなお色気要素がガンガン読者の少年たちの何かを芽生えさせてそうで趣深いですね。
作者公式HPで番外編? が公開されてます。
試し読み ガンガンONLINE
高津 カリノ スクウェア・エニックス 2016-12-24
ボイス坂(高遠るい)
「はぐれアイドル地獄変」の人気にあやかり、2018年に外伝として復刻された実質全然別の作品。高遠先生自身が小説版も執筆したひとりメディアミックス作品として、漫画版は「スーパーダッシュ&ゴー!」で2012~2013年連載、全2巻で完結。小説も同時期で全2巻。
そこそこのルックスとそれなりの演技力を持ち、うぬぼれたり他者に嫉妬したり毒を吐いたりする負けヒロインの奮闘を描く人間味の強い声優もの。若さゆえの全能感、理想の自分と現実のギャップがそれなりにオブラートに包みつつもリアル。
打ち切りついでに掲載誌が廃刊になり、最後はブン投げて終わります。一応復刻にあたり加筆修正が入り、その後はこうなる予定だった的な展開が断片的に描かれますが、こういうのを見て喜ぶ読者はいるのだろうか……気持ちはわかんなくもないですが。
試し読み 日本文芸社公式サイト
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