今や日本を代表するコミックカルチャーのひとつと言えるBL。今まで殆ど読まずにきましたが、こういうサイトを初めてしまったのが運の尽きいい機会です。という訳で読んでますがこれは奥の深い世界ですね……(白目)。BL→奥が深いと聞いてすかさず余計なことを考えた人は滝にでも打たれてきてください。
真面目な話、かなり面白い作品が潜んでいるジャンルです。興味のない人にこそ読んで欲しいな、という願いを込めてこんな感じの記事タイトルとなりました。
不潔恐怖症の城谷忠臣はある事故をきっかけに、カウンセラーの黒瀬陸と出会う。自身も心の傷を持つ黒瀬は城谷のために無償の治療を提案するが、それは10項目の「抵抗があること」を軽いものから順番にこなし、それに対する拒否反応(手を拭くなど)を極力我慢する曝露反応妨害法と呼ばれるものだった。治療の効果は順調に現れ始めているように思われたが、それと同時に城谷と黒瀬の関係もまた、友人関係から徐々に均衡を崩し始めていた――
30歳まで童貞を貫いたことにより、人の心を読める魔法を手に入れた事務員・安達清。そんな彼に密かに思いを寄せるのは、イケメンで性格もいい営業の黒沢優一。そういう趣味はなかったはずの安達だが、黒沢から日々寄せられるストレートな煩悩と純粋さの二段構えにほだされていき……「全国書店員が選んだおすすめBLコミック2019」1位、ドラマ化も果たした人気作。
類似作 高台家の人々(森本梢子)、妄想テレパシー(NOBEL)など
試し読み ガンガンpixiv
ゲイであることを公言している犬飼課長のところには、今日も女子社員がアドバイスを求めて現れる。しかしその口から語られる言葉は、なぜかノーマルの後輩・高木には、どこか無理をしているように聞こえてしまうのだった。もしかするとこの人は、乙女な自分の憧れに自分自身気付いていないのでは……? そう気付いた途端、高木の中にある欲求が生まれ始める。一般紙掲載で好評を博した話題のBLコミック。
こういうのはBLではなくゲイコミックに分類すべきですかね? そのへんの定義もよくわかりませんが……まあ、田亀源五郎作品を追加する時に考えよう。「Comicリュウ」で2017~2019年連載、全4巻で完結、後日談のseason2が2021年~連載。
試し読み Comicリュウ公式サイト
同じアパートに住む小学校の同級生・妹尾は、ズボラで人懐こい青年に成長していた――美容師として修業を積む杉本と妹尾の関係を描く物語であると同時に、辛い過去との和解を描いた良作です。BLとしてはライト。
どっちを先に読むかはお好みで(僕はモアザン→アパートでした)。後日談の「続IN THE APARTMENT」も発表されています。
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IN THE APARTMENT (H&C Comics ihr HertZシリーズ 156)
名門男子校・私立シリカゲル学園。絶大なカリスマ性を誇る生徒会長・大和御門は、なぜかふと見た地味男子・根崎春の笑顔が頭から離れない――
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戸田渉にはひとつの疑問があった。学校一のモテ男・佐伯千晴は、どうしておれにこんなにかまってくるのだろう? 映画好きのふたりの男子高校生が、聖地巡礼をしながら色々な話をする、一夏の美しい記憶。しかしちょっとした約束が果たせないままに、夏の日はある日突然終わりを告げてしまう。宙ぶらりんな気持ちを置き去りにして――
恋愛ものとしては話自体は別にどうということもないですが、ふたりの距離感が友情をベースとしたもので清潔感があり快適。一冊完結。
シスコン高校生大輝と、その姉に惚れている地味系大学生の神谷。神谷が姉の彼氏だと勘違いした大輝は真相を問い質しに大学へ侵入するが、話してみると妙にウマがあい、一緒に遊ぶようになったふたりは、段々お互いのことが気になり始めて……?
一冊完結でこちらも純愛系。BLらしいBLなんですが、神谷がかなりガーリーな外見をしてることもあり、普段BLを読まない人でも取っつきやすそうな一冊です。めっちゃ読む人でもこれは好きな人多そう。
「神谷が女性だとするとこういう感じか」というような脳内変換をして、BLに萌える女性の気持ちを仮想体験できたような気がしますがどうだろう。
粘着質なヤンキー・釧路に目を付けられ、顔を合わせると殴られるようになったフリーターの三崎。顔に痣を作りながらも、秘かに快感を感じている三崎に気付いた釧路は「とんだ変態野郎じゃん」と蔑みつつも、彼の部屋へと入り浸るようになる……。BL×SMのたなと先生デビュー作。
他の男に殴られる三崎に「わざとか?」と勘繰りをいれたりするなど、暴力描写・SM要素が強いので一応注意。怖い人がデレるのが見たい人は好きだと思います。
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かつて眺めていた後ろ姿は、あまりに遠い俺のいちばんぼしだった。今の俺なら、その星に手が届くほど高く遠くへ来れただろうか――元アイドルの演技派俳優と美形アイドルの禁断の関係を描く表題作の他、「MILK」「逃げなずむならよる」「レユニオン・ドラマの場合」「おとなりから笑い声」を収録。「私の少年」の作者が送るBL短編集。
BLは恋愛対象同士が肉体的に拮抗している、喧嘩やスポーツのライバル・敵になりうるので、どちらかが「屈服する」場合は精神的なものによるところが強い。この突っ張ったバランスが崩れる瞬間がBLのひとつの醍醐味なのかな、というようなことを読んでて思いました。
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神様のいらんおせっかいのせいで、恋人(男)が女になりました――周囲には関係を秘密にしているが、仲の良いBLカップルの森と歩。しかし突然の性転換により、ふたりは晴れて「結婚をできる」「周囲公認の」カップルへと変貌する。とはいえ男として歩を愛していた森にとって、それは歓迎すべき事態とは言いがたく……。
突然女性になった「同性愛者」の思考、歩をどのように好きなのか? という問いを突きつけられた森の混乱どちらも丁寧に描かれ、総じて一冊ながらもよく練られた作品という印象。あなたが男性同士の恋愛心理に主眼を置く読み手であれば、一読の価値はあります。
どうしようもない日々を送るコンビニ店員幸紀は、チンピラに刺されて意識を失いながら、目の前に降り立つ天使の姿を見た。幻覚かと思いきや、なぜかその天使との同棲生活を始めることになるが、彼はなぜ地上に現れたのか記憶がまったく無いという――短編「止まり木」のセルフリメイク作品。
すっとぼけたふたりのやりとりも面白く、BLに偏見ある人は一読の価値があります。ただ僕は設定厨なので細かい点がちょっと気になります。物語の都合上、当然疑われるべき点がスルーされてるのはややモヤる。
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