食わず嫌いは勿体ないぜ(二重の意味で)。ノンケの男が選ぶ、おすすめBL(ボーイズラブ)マンガ選

入門(意味深)

今や日本を代表するコミックカルチャーのひとつと言えるBL。今まで殆ど読まずにきましたが、こういうサイトを初めてしまったのが運の尽きいい機会です。という訳で読んでますがこれは奥の深い世界ですね……(白目)。BL→奥が深いと聞いてすかさず余計なことを考えた人は滝にでも打たれてきてください。
真面目な話、かなり面白い作品が潜んでいるジャンルです。興味のない人にこそ読んで欲しいな、という願いを込めてこんな感じの記事タイトルとなりました。

【オススメ】テンカウント(宝井理人)

不潔恐怖症の城谷忠臣はある事故をきっかけに、カウンセラーの黒瀬陸と出会う。自身も心の傷を持つ黒瀬は城谷のために無償の治療を提案するが、それは10項目の「抵抗があること」を軽いものから順番にこなし、それに対する拒否反応(手を拭くなど)を極力我慢する曝露反応妨害法と呼ばれるものだった。治療の効果は順調に現れ始めているように思われたが、それと同時に城谷と黒瀬の関係もまた、友人関係から徐々に均衡を崩し始めていた――

まず設定が新鮮でいいです。1巻はほぼBL要素がなく、普通に楽しく読まされました。設定的に無理がある部分が少し気になりますが、心理描写が緻密で、評価高いだけのことはある作品だと思います。


このジャンルとしては珍しくYoutubeにPVがあってうれしい。せっかくなのでドラマも貼っておきます。
BL描写は濃厚で、BLとはどーゆーものかとか、拡張のしかたとか、色んな意味で勉強になりました。

IN THE APARTMENT(絵津鼓)

同じアパートに住む小学校の同級生・妹尾は、ズボラで人懐こい青年に成長していた――美容師として修業を積む杉本と妹尾の関係を描く物語であると同時に、辛い過去との和解を描いた良作です。BLとしてはライト。

IN THE APARTMENT

「IN THE APARTMENT」2話より

この作品で語られる妹尾の過去は「モアザンワーズ」というスピンオフ(一般作品)で描かれています。アパートを読むとモアザンの結末がわかってしまいますが、わかってから読むとまた違った味わいがあります。

どっちを先に読むかはお好みで(僕はモアザン→アパートでした)。後日談の「続IN THE APARTMENT」も発表されています。

試し読み eBookJapan

そんな目で見てくれ(毛魂一直線)

名門男子校・私立シリカゲル学園。絶大なカリスマ性を誇る生徒会長・大和御門は、なぜかふと見た地味男子・根崎春の笑顔が頭から離れない――

隙あらば作画崩壊の地雷原へと突入するギャグ漫画で、作者のテンションが一周廻って行方不明、その合間を縫って意外とちゃんとBLするのでこっちのテンションが迷子になります。

そんな目で見てくれ
完全に表紙詐欺で、これは合う人合わない人バッキバキに別れるだろうな、と思います。個人的には爆笑するほどではないもののニタリとはさせられました。男性とか、BLデビューしたい人とかにも向いてるのかなーと。

【オススメ】君は夏のなか(古矢渚)

戸田渉にはひとつの疑問があった。学校一のモテ男・佐伯千晴は、どうしておれにこんなにかまってくるのだろう? 映画好きのふたりの男子高校生が、聖地巡礼をしながら色々な話をする、一夏の美しい記憶。しかしちょっとした約束が果たせないままに、夏の日はある日突然終わりを告げてしまう。宙ぶらりんな気持ちを置き去りにして――

ピュアなBLです。このジャンルのマンガとしては「BLに到るまで」の経過が自然で、この点だけでも強く推す作品です。やはり心理描写が上手い作品は強い。

恋愛ものとしては話自体は別にどうということもないですが、ふたりの距離感が友情をベースとしたもので清潔感があり快適。一冊完結。

more than red(幸田みう)

シスコン高校生大輝と、その姉に惚れている地味系大学生の神谷。神谷が姉の彼氏だと勘違いした大輝は真相を問い質しに大学へ侵入するが、話してみると妙にウマがあい、一緒に遊ぶようになったふたりは、段々お互いのことが気になり始めて……?

一冊完結でこちらも純愛系。BLらしいBLなんですが、神谷がかなりガーリーな外見をしてることもあり、普段BLを読まない人でも取っつきやすそうな一冊です。めっちゃ読む人でもこれは好きな人多そう。
「神谷が女性だとするとこういう感じか」というような脳内変換をして、BLに萌える女性の気持ちを仮想体験できたような気がしますがどうだろう。

お互いに自分にはないところを発見して相手を認めたり、なかなかうまく距離を縮められなかったりと実に初々しい。

スニーキーレッド(たなと)

粘着質なヤンキー・釧路に目を付けられ、顔を合わせると殴られるようになったフリーターの三崎。顔に痣を作りながらも、秘かに快感を感じている三崎に気付いた釧路は「とんだ変態野郎じゃん」と蔑みつつも、彼の部屋へと入り浸るようになる……。BL×SMのたなと先生デビュー作。

もともと1冊完結でしたが、好評を受けて2巻も出てます。あちらこちらぼくらで最近一般枠でも知名度を高めつつある作者ですが、あれを凄く過激にするとこうなるという作品。

他の男に殴られる三崎に「わざとか?」と勘繰りをいれたりするなど、暴力描写・SM要素が強いので一応注意。怖い人がデレるのが見たい人は好きだと思います。

試し読み 詳伝社特設サイト

【オススメ】つらなるステラ(高野ひと深)

かつて眺めていた後ろ姿は、あまりに遠い俺のいちばんぼしだった。今の俺なら、その星に手が届くほど高く遠くへ来れただろうか――元アイドルの演技派俳優と美形アイドルの禁断の関係を描く表題作の他、「MILK」「逃げなずむならよる」「レユニオン・ドラマの場合」「おとなりから笑い声」を収録。「私の少年」の作者が送るBL短編集。

つらなるステラ

“つらなるステラ”より

これはかなりレベル高いと思います。ギャグからシリアスから色々ありますが、ドラマがしっかりしていてキャラクターの心情が伝わってくる。ただ男性同士のカラミが楽しめる人のほうが楽しめる作品集であることは間違いなく、若干の悔しさみたいなのがあったので属性持ってない人にはあまり勧めません。「逃げなずむならよる」が僕は一番面白かったです。

BLは恋愛対象同士が肉体的に拮抗している、喧嘩やスポーツのライバル・敵になりうるので、どちらかが「屈服する」場合は精神的なものによるところが強い。この突っ張ったバランスが崩れる瞬間がBLのひとつの醍醐味なのかな、というようなことを読んでて思いました。

試し読み pixivコミック

花はニセモノ(仙石寛子)

神様のいらんおせっかいのせいで、恋人(男)が女になりました――周囲には関係を秘密にしているが、仲の良いBLカップルの森と歩。しかし突然の性転換により、ふたりは晴れて「結婚をできる」「周囲公認の」カップルへと変貌する。とはいえ男として歩を愛していた森にとって、それは歓迎すべき事態とは言いがたく……。

花はニセモノ

第1話より

TSものとしてもBLものとしても、これほど斬新な切り口の作品は珍しいと思います。性別上歩は作中ほぼ女性になっているので、おそらくこのカテゴリ中最も「BLらしくない」BLでもあります。読んでもBLだと認識しない人も多そう。

突然女性になった「同性愛者」の思考、歩をどのように好きなのか? という問いを突きつけられた森の混乱どちらも丁寧に描かれ、総じて一冊ながらもよく練られた作品という印象。あなたが男性同士の恋愛心理に主眼を置く読み手であれば、一読の価値はあります。

ワンルームエンジェル(はらだ)

どうしようもない日々を送るコンビニ店員幸紀は、チンピラに刺されて意識を失いながら、目の前に降り立つ天使の姿を見た。幻覚かと思いきや、なぜかその天使との同棲生活を始めることになるが、彼はなぜ地上に現れたのか記憶がまったく無いという――短編「止まり木」のセルフリメイク作品。

エロ要素はなし、ストーリーと主人公ふたりの交流で勝負する作品ということで、一般的なマンガ(?)に近い読み味。「なぜ天使が現れたのか」というアイデアは(某映画を彷彿とさせつつ)アレンジとしてかなり冴えていて、ラストも感動的で一冊ものとしての完成度は抜群。

すっとぼけたふたりのやりとりも面白く、BLに偏見ある人は一読の価値があります。ただ僕は設定厨なので細かい点がちょっと気になります。物語の都合上、当然疑われるべき点がスルーされてるのはややモヤる。

試し読み 詳伝社特設ページ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする