命の重みが立派な椅子の上に乗る。エリートから事務方まで、医療関係者・医者系マンガ

僕に向けられてるサイン

医者、看護師など医療従事者総合カテゴリとなります。熱意と情熱にあふれ難病や大怪我に苦しむ患者を救ってもよし、金と欲と政治にまみれた裏の権謀術数を描いてもよし、煩雑で複雑な日常業務、多忙きわまる日々を描いてもよし……とドラマ性にあふれ、小説や映画でもいくつもヒット作が生まれているのはご承知の通り。リアルでもちょくちょく不正が暴かれたりしてて、ノンフィクションの題材としても人気があります。
動物医は基本動物カテゴリ、漫画家自身が病気になったりするのは闘病記カテゴリ、感染病関連はパンデミックカテゴリで扱います。

【オススメ】ブラックジャック(手塚治虫)

崖の上の一軒家に住み、顔に手術痕を残す黒衣の男、ブラックジャック。医者免許を持たないが腕前は超一流の彼のもとには、表裏を問わずさまざまな難手術の依頼が舞い込んでくる。しかしその診療報酬は異常に高額、場合によっては億を超えることも……「医療と生命」をテーマに据えた手塚治虫の代表作。

有名な話ですが、70年代初期の手塚先生は「終わった漫画家」扱いされていました(当時は劇画ブーム全盛期)。この作品もあまり期待されず、短期連載の怪奇マンガとしてスタートしましたが、結果として週刊チャンピオンの黄金期を支えた名作として名を残しています。今読んでも純粋に面白いというのが単純にすごい。ちなみに医療マンガというジャンルもこれが始祖だそうです。

手塚先生自身医師免許を持ちますがマンガですので、医学的には結構無茶な回が多く結構な非難も受けたそうです。幽霊や宇宙人の治療する回もあるのでそのへんはご愛敬。「週刊少年チャンピオン」で1973~83年連載。チャンピオンコミックス版で全25巻、手塚治虫漫画全集版で全22巻、文庫で全12巻で完結

試し読み コミックシーモア

【オススメ】ドクトル・ノンベ(中原とほる)

どことも知れぬうらぶれた港町に、ひっそりと建つ飲部医院の医者はのんだくれのドクトル・ノンベ。常識外れの患者ばかり相手にするノンベ先生の手術は、これもやっぱり規格外な怪しげなものばかり……。現役の外科医(執筆当時)が描くセンス・オブ・ワンダーに満ちた医療エンタメ漫画。

ドクトル・ノンベ

第10話”超人になってしまった男”(2巻収録)より

絵がガロ系テイストでとっつきづらいのが最大の欠点。手塚先生の正統後継的なストーリーメイクで、医学的な破天荒さもBJライクです。初期はそこそこですが尻上がりに面白くなり、「天才をつくる男」「死にきれない男」「超人になってしまった男」とくる男三部作はいずれもかなりの名作。ぶっちゃけ6話以降から読むんでもいいかも。

「アフタヌーン」で1992~93年不定期連載、全2巻で完結。映画的演出とセリフの切れ味は最初から鋭く、全体的に昭和的な苦み走った味があり、映像化したら武満徹がBGMつけそうな感じです。マンガ図書館Zで読める他、著者ホームページで他の作品が大量に読めるので、お気に召した方はそちらもどうぞ。

類似作 ブラック・ジャック、他いろいろ

試し読み マンガ図書館Z

【オススメ】フラジャイル 病理医岸京一郎の所見(原作:草水敏 漫画:恵三朗)

人間の時間は限られていて、特に患者のそれは時に一分一秒を争う。医療行為はトレードオフの連続だ。正確性を取るのかスピードを取るのか、安全性を取るのかリスクをとってリターンを狙うのか。保身や派閥に組み込まれることを選ぶのか、それとも他の医者と対立し、時にはグレーゾーンの医療行為に手を染めるのか。毒舌・横暴・実力で他科に疎んじられる病理科長・岸京一郎をメインに据えた総合病院医療ドラマ。

第6話”岸先生がまた何か言ってます!”(2巻収録)より

リアリティ8割に2割の嘘を織り交ぜ、どんなにヘビーなエピソードを展開しても最後は読者に納得のいく結末を用意する高精度の作品です。キャラは役割分担がハッキリしていてそれぞれが個性的。成長と挫折の王道ドラマと徹底したディティールによる装飾、さらに歯に衣着せぬ岸先生の痛快さがあいまって読者に「快」の感情を与え続けます。結果中毒性があります。オブラートに包んだイカン薬という感じ。


細かく見てくとベタだったり、ご都合な話もあるってことですけどね。それがどうしたとばかりに夢中で読みました。女性陣もみなさん魅力的ですが、とりわけひとりだけ木々津克久キャラみたいな顔した布施ちゃんがちょっと唯一無二な感じです。

試し読み アフタヌーン公式サイト

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり(医療原案:富野浩充 漫画:荒井ママレ)

医師からも患者からも「言われた薬を出す人」と思われ、自分の存在意義に疑問を持ってしまう入社2年目の薬剤師、葵みどり。だが先輩薬剤師の瀬野のように、「現場に必要な薬剤師」と呼ばれる人もいる――現役病院薬剤師が原案を担当し、知られざる仕事にスポットライトを当てる一話完結ホスピタルストーリー。

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり

第7話”病院の外”(2巻収録)より

ドクターもの、ナースものがある程度やり切ったのか時代の流れなのか、近年豊富な裏方系医療マンガのひとつ。フラジャイル、ラジエーションハウスに続きドラマ化(2020年)。
題材が題材なので薬剤師が活躍する場面が多く描かれ、場合によっては患者の相談に乗ったり、ドクターと対立したりと思ったより前のめりに医療現場に喰い込んでいきます。「薬剤師ならでは」という場面を作れている回は「おお~」という感じ。


なので薬剤師に興味ある人はもちろん、一般的な医療ものっぽいのが読みたい方も楽しめるかと。題材上色んな薬が出てくるので、詳しい人だとなお楽しそう。
「月刊コミックゼノン」で2018年~連載。

試し読み Renta!

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