空想と科学、あるいは現実のカリカチュア。おすすめSFマンガ傑作群

そもそもSFって何?

SFおすすめ漫画のコーナーです。
SFとファンタジーはどう違うのか、というのは難しい問題で、色々な定義があるんですが、「こうだ!」と言うと「ではこれは?」という例をあげることが大体できるので、まあなんとなくでいきたいと思います。と言うと「ではこれは?」という例をあげることが大体できるので、まあなんとなくでいきたいと思います。

例外もありますが、ディストピアポストアポカリプスアンドロイド・ヒューマノイド系メカもの時間ものセカイ系ループもの前世・輪廻転生ものSF系オムニバスの作品は別カテゴリとしています。

【オススメ】イムリ(三宅乱丈)

他人の精神を支配する能力を持つ「カーマ」の術師たち。その候補生の中でも傑出した才能を見せる少年デュルクは、隣星ルーンへの派遣に抜擢されることになる。

ルーンの住人「イムリ」と「イムリの道具」、奴隷民「イコル」と「獣奴」、「賢者の証」「夢見」。謎が解き明かされるにつれて、世界は徐々に真の姿を露わにしていく……。

これがまさに境目の作品で、最初は「ファンタジー叙事詩」だったのが、いつの間にか「SF巨篇」になっていたという作品です。嘘だと思ったら巻末の次回予告をご確認ください。
面白ければどっちでもいいんですが、そして面白いんですが、逆に言えば両方の要素を兼ね備える作品ということでもあります。

ワールドトリガー(葦原大介)

作中でキャッチフレーズを募集して、採用されたのが「遅行性SF」なので、これはSFだという認識でいいようです。

おおまかに言えば群像バトルものです。なぜかこのマンガを読むと「カルネージハート」というゲームを連想するのは僕だけなんでしょうか。

ボーダーたちはそれぞれ異なる階級・得意武器を持ち、戦略的に「トリガー」を選択し、それをカスタマイズし、最適化されたチームごとの作戦を持っています。
派閥があり、ネイバーはたくさんあり、その中でも色々あります。とにかく設定・設定・設定の嵐!

百万畳ラビリンス(たかみち)

ゲーム狂女子大生・玖波島礼香とルームメイトの康子は、なんの脈絡もなく森の中にそびえる謎のぼろアパートに召喚されてしまう。そこは騙し絵のように空間がループし、物理法則が無視された不可解な世界。とりあえずその中をさまようふたりは、ちゃぶ台に置かれた一通の書き置きを発見するが……。

百万畳ラビリンス

第21畳(下巻収録)より

たとえば古典的なRPGのフィールドは「同じ木の絵」をパターン処理して森を表現していますが、これと同じようなルールがこの世界にも適用されていて、一本の木を倒すとデータ上同じ物体である他の木もまとめてなぎ倒すことができます。
こうしたルールの抜け道(バグ)を次々に発見していくことで状況を打開していくという「発見」系脱出ものです。あんまりこういうのは他にない気がする。

地味にデバッガが主人公というのも珍しい、たかみち先生が漫画家としての実力を見せつけた一作。
「ヤングコミックチェリー」で2013~2014、「ヤングコミック」に雑誌名が変わって~2015年まで連載、上下巻で完結

類似作 CUBE(映画)パラドクス(映画)

試し読み マンガボックス

スキエンティア(戸田誠二)

中央に位置するスキエンティアタワーを囲む街では人々が様々な暮らしを営んでいますが、このオムニバス作品集では、その中でも現状に不満や絶望を抱える人々が登場し、進んだ科学技術を用いてそれを解決しようとします。
しかし魔法のような科学も、複雑な人間の問題の前には万能ではなく……。

スキエンティア

第3話”クローン”より

収録作には上記のような共通したスタイルがあり、それが全体を通したテーマとなっています。これほど一貫したメッセージを持つオムニバス漫画を僕は他に知りません。

ヒューマン系SFで、「AIの遺伝子」が好きな人はこっちもたぶん好きだと思います(逆もしかり)。

PSYCHO+(藤崎竜)

生まれつき髪の毛が緑色の少年・綿貫緑丸。彼がある日ゲーム屋のワゴンセールで手に入れた携帯ゲーム「PSYCHO+」を起動すると、そこに現れたのは「超能力レベル1 木を動かしてみよう!」の文字。
とりあえずカーソルを右に合わせると、画面上の木の動きに合わせて、現実世界で巨木が宙を舞う。さらにゲームには次のレベルが用意されていて……。

PSYCHO+

STAGE1″GAME START”(DRIVE A収録)より

フジリュー先生の初連載作品。初期特有の繊細かつポップな描線が魅力的。「スマホに変なアプリが入って」的なのを先取りしたような設定ですが、デスゲームではなく謎のゲームによって次々にトラブルが巻き起こる話です。

フジリュー先生らしい病んだ展開も楽しいですが、今となっては「藤崎竜がちゃんと恋愛ものを描(こうとして)いている」のが一番の見所のような気も。
「週刊少年ジャンプ」で1992~1993年連載、全2巻で完結。DRIVE Aが1巻、Bが2巻に相当します。

【オススメ】プラネテス(幸村誠)

今より数十年後、人類が宇宙へと進出している世界。主人公たちは宇宙空間を漂い、デブリ(宇宙ごみ)を片付ける業者として働きながら、それぞれの目的を持っている――
一話完結でそれぞれ高品質なマンガは基本僕は好きで、このカテゴリはなんかそういうのが多いですね。

プラネテス

PHASE.5”IGNITION ―点火―”(1巻収録)より

どっちかというと後半が有名な作品なんですが、僕はバリエーション豊富な前半こそが真骨頂だと思います。宇宙空間を舞台にしたSFものでありながら、主題となるのは失意や挫折を抱えた人間の精神であり、今もある問題や文化を引きずり続けた等身大の未来には不思議な馴染みやすさがあります。


煙草が吸えなくて右往左往する話が、スラップスティックな展開で一番印象に残っています。
「モーニング」で1999~2004年不定期連載、全4巻で完結

試し読み 講談社コミックプラス

ランド(山下和美)

四体の「四ツ神様」によって監視される閉ざされた村。50歳になった人間は「知命」を迎え、山の向こうにある「あの世」へと旅立つことが許される――
凶相とされる双子のかたわれとして生まれた少女・杏はただひとり、村を支配する数々のしきたりに疑問を覚え始める。そして読者もまた、いつしか彼女と同じように、こうした問いかけを抱くことになる。
このルールはなんのためにあり、それを決めたのは誰なのか?

これも面白い。SFの先例に倣いつつ、それを踏み台に斜め上の展開を見せる作品です。
あんま描くとアレなんですが、例のシーンが出た時は「で、出たーっ!」ってなりました。そこからが本番なんですけどね。

試し読み モーニング公式サイト

第七女子会彷徨(つばな)

学級制度によって友達になったふたりの女子高生、金やんと高木さん。彼女たちが過ごす日常生活は、時間停止やパラレルワールド、死後の世界などのSF的ガジェットに彩られた少しだけ「ここ」とは違う世界。
異常な現象の続発する世界で繰り広げられる、異次元系日常学園コメディ。

第七女子会彷徨

第39話”どこから来ましたか?/Where are you from?”(5巻収録)より

それ町とドラえもんの中間地点に栞と紙魚子が割って入ったとでもいうのか、なんともいえない読み味のマンガです。タイトルは石黒正数先生命名。哲学的な話題が多く、仮想実験みたいな話もちらほら。


ほとんどの話は一話完結で、じわじわ楽しめる感じですが、たまに「おっ」となる話が紛れ込んでます。
「月刊COMICリュウ」で2008~2016年連載、全10巻で完結。

類似作 それでも町は廻っている(石黒正数)

試し読み コミックシーモア

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。(田中ほさな)

一人暮らしだが「ちゃんとしたい」、世間体の気になる高校生・空木宗也。彼の出したごみが勝手に逆分別されて回収されていないという、不可解かつ家庭的な怪事件が勃発する。真相を暴くべく張り込みをした彼は、現場で謎の転校生時坂さんと遭遇する。
環境破壊を自分の使命だと語る彼女の真意とは? そして問答無用で家に転がりこまれた空木は、世間体を守り切ることができるのか――?

時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。

第2話”時をかけるリサイクル”(1巻収録)より

環境破壊SFラブコメとでもいうんでしょうか。時坂さん以外の人々は常識的に環境保全をしようとし、途中からそういう団体も出てくるので、常に環境破壊VSエコという対立が起こるという、目の付け所の面白い作品です。

時坂さん自身も面白いキャラクターで、天然かと思いきや意外にクールだったり、あつかましい割に妙に純情だったりで見ていて飽きません。たまに暴走する彼女のおかげかストーリーもテンポ良く進み、全4巻と短めで完結。
田中先生は以前椎名高志先生のアシをされていたそうで、一番その影響が如実に出ている作品だと思います。

試し読み ゲッサン公式サイト

【オススメ】彼方のアストラ(篠原健太)

キャンプのために惑星マクパに訪れたケアード高校の生徒たちは、突如謎の球体に襲われて宇宙空間へ放り出されてしまう。近くにあった宇宙船に移動することで九死に一生を得た彼らだったが、元の場所からは数千光年離れた場所にいることが判明する。
宇宙でのサバイバル生活の中で徐々に明らかになっていく、それぞれの特技、秘められた過去、裏切者の存在――果たして彼らは無事、地球へ帰り着くことができるのか?

少年少女サバイバル×ミステリーというと「11人いる!」をどうしても連想してしまいますが、こちらはそこにさらに冒険ファンタジー要素とツッコミ芸をプラスアルファし、何やら見事な手つきでそれを絶妙な形にまとめ上げています。

普通にやるとご都合主義的な展開も、ギャグテイストでキャラに「ツッコませる」ことによって違和感なくストーリーに組み込んでいますが、どっちかというとツッコませるためにご都合主義な展開を用意しているような気もしないでもない。
読んでてとても楽しい、早く続きを読みたくなるマンガです。全5巻で完結、マンガ大賞2019大賞作品。

あげくの果てのカノン(米代恭)

謎のエイリアン・ゼリーに侵略されつつある東京で、対ゼリー特務部隊のエースとして成長した境先輩と、彼への片思いをこじらせ倒した女子・香月かのんは再会する。
先輩は既に既婚者なのだが、8年間の片思いがついに報われていくかのんに、自分の思いを止める術などあるはずもなく……。

あげくの果てのカノン

第7話(2巻収録)より

ヒロインのストーカー気質を取り上げられることが多い作品ですが、被侵略系SF×不倫という組み合わせも大概異色です。ゼリーとの戦闘により破損した部位を修復するたび嗜好や外見は変化していくため、心変わりが英雄的行為の仕方ない犠牲にすり替わる設定も斬新。


重くなりがちな不倫ものに合間合間でSF要素を差し挟むと、なるほどこうなるのだな……と。
終末系っぽい世界観ですが、あくまで個人の問題が主眼となるあたりはセカイ系に通じるものがあります。全5巻で完結。

試し読み ビッグコミックBROS.

惑星9の休日(町田洋)

辺境の小さな星惑星9では、大したことは起こらない――影の中で凍り漬けになった少女、離れ行く月に住む友人との思い出、天才科学者の純情な恋。
カチカチした線とユーモアのある奇想で綴る、町田洋のデビュー作。

惑星9の休日

“衛星の夜”より

寂しくて美しい思い出を振り返るような作品群。夜中に酒ちびちび飲みながら読んでたら肩の力が抜けました。

全1巻で完結(短編集)。表題作、「UTOPIA」「衛星の夜」「それはどこかへ行った」「午後二時、横断歩道の上で」他3篇収録。

試し読み 詳伝社公式サイト

アリスと蔵六(今井哲也)

物理現象を無視して想像しうるあらゆることを叶える、最強の「アリスの夢」使いたる「赤の女王」――その少女は取引を持ち掛けた。
昨今の異世界転生ものでならされたひよわな主人公たちなら、「何かひとつ願いをかなえる」という彼女の言葉に首を縦に振っていただろう。しかし残念ながら、その相手は相手によって態度を変えない、目つきの悪い頑固ジジイだった――

アリスと蔵六

chapter1″赤の女王、逃げる”(1巻収録)より

読みようによってはポストセカイ系ともとれる、正論ジジイがイカした作品です。幼女萌えとジジイ萌えの両方が楽しめてとってもお得。


赤の女王には幾重にも渡る自己否定の檻が存在しますが、同時に全能感と非常識の塊でもあり、彼女が自らに課した呪いを解き、普通の少女へと成長していく物語でもあります。

試し読み 月間comicリュウ公式サイト

ふたりぼっち戦争(肘原えるぼ)

人類の絶滅を目的とする(と思われる)侵略者・イドラ。これに対抗し得る唯一の手段、生体兵器「アルカナ」の操縦者を志望する少年イリヤは、不自由な足にも関わらずその才能を認められ、アルカナの操縦者として人類存亡の戦いへ参加することになる。
疑似的とはいえ自らの脚で地を駆け、宙を舞う喜びに酔いしれる彼を待っていたのは、アルカナという兵器の持つ残酷な真実だった――

今となってはなんとなく懐かしい、セカイ系の匂いが立ち込める遠隔操作人型兵器SFです。Vガンとかエヴァとか好きならいいかもですね。


エイリアンを相手どったロボ系、デザインも割とかっこいいんですが、主人公がイケイケで敵を駆逐していく爽快感とかよりも戦争の負の部分がクローズアップされていきそうな雰囲気です。タイトルからして嫌な予感しかしない。

試し読み 少年ジャンプ+

誓約のフロントライン(原作:鈴木鈴(GoRA) ‎メカニックデザイン:柳瀬敬之 漫画:佐藤ミト)

誓約は、人類を抹殺すること。フロントラインは、今僕が立つこの場所――心優しい少年・綾辻塞は、人類を抹殺するために異次元から送り込まれた次元穿孔機体アナイアレイターに遭遇し、偶然その命令権限を奪うことに成功してしまう。
いきなり侵略者「マローダー」から人類を護る最前線に立たされることになった少年サイと、サイを抹殺したがっている敵機アナイアレイターによる異質にして王道のSFロボットバディアクション。

誓約のフロントライン

第1話”アナイアレイター”(1巻収録)より

ミギーの代わりにパトレイバーがやってきたようなマンガ。「なぜ敵は人類を抹殺しようとしているのか」とかの設定廻り、「どうやって勝つか」といった展開が考えられていて面白いし、感情のない(はずの)ロボット同士の関係描写も新鮮で相当ワクワクできます。が、後半打ち切られちゃった感じです。あまりにももったいない。

話としてはちゃんと終わりますけどね。練られた設定見るためだけでも読む価値があります。「少年マガジンエッジ」で2015~2018年連載、全6巻で完結

類似作 うしおととら(藤田和日郎)、寄生獣(岩明均)

試し読み 少年マガジンエッジ公式サイト

きみを死なせないための物語(漫画:吟鳥子 作画協力:中澤泉汰)

旧人類よりも遅く育ち、数百年も生きる幼形成熟の新人類「ネオテニイ」。主人公とその友人たちは歓楽街京都コロニーへ遊びに出掛けたことから、ある運命的な出会いを果たすことになる――

「禁書」「監視カメラ」「パートナー」といったワードからほんのりディストピア感を漂わせる、未来世界叙事詩。
きみを死なせないための物語

epi.2(1巻収録)より

1巻は壮大な前振り。回想としてのモノローグが差し挟まれ、この前振りへのカウンターがこの物語の主題であることが示されています。ちょいちょい伏線も張られている模様。
1巻では(見た目は)あどけない子供たちだった彼らですが、2巻からはどうなっていくのか先行き楽しみです。

ナチュン(都留泰作)

天才数学者兼物理学者が残した2時間50分31秒の退屈な映像を見た主人公は、突如天才的なアイデアに憑りつかれ何もかもを振り捨て沖縄へと飛ぶ。
遠大な野望のため、当面の目標はイルカの生態観察……しかしそこで待ち受けていたのは海中でイルカとたわむれる謎の美女とフレンドリーな人妻、浅黒いオッサンたちとの暑苦しい交流。さらに予期せぬ災禍との遭遇だった――

作者が現役の文化人類学者ということで、実地のフィールドワークを基にSF的アイデアを練り込んだ得体の知れない野趣を放つ海洋SFです。

一応プロット組んでると思うんですが話がどんどん本筋から逸れていき、初読ちょっと混乱しました。2回読むとすんなり頭に入ってきてめちゃくちゃ面白かったです。
全6巻、「よくあるSF」に飽きた人にこそ薦めたい一品です。

人間工場(西屋仁紀)

出生率の低下と国民の高齢化が深刻な影響を及ぼしつつある世界で、政府が下した「人間製造計画」という決断――身体にバーコードを埋め込まれ、商品として製造された「人間」たちが当たり前に存在する世界で、工場長の大嶽晃は何を思い注文をさばくのか? ホムンクルス系近未来ヒューマンSF。

人間工場

第1話”かけがえなき君へ”(1巻収録)より

タイトルからしてエログロナンセンスのよくある低俗なやつであろうと勝手に思ってたんですが、伝統的ショートストーリーの構成を持つ良作だったのは嬉しい誤算でした。食わず嫌い良くない。


デビュー作らしく1巻には読み切り版も収録。ちょっと伏線が露骨だったり従業員が少なすぎたり気になる点はありますけど、シビアな設定の中で「エグさ」だけを前に出さず、限られたページ数の中でしっかりしたストーリーを作ろうとしている姿勢に好感が持てます。オムニバスが好きな人にもおすすめ。
「マンガボックス」で2017~2020年連載、全6巻で完結。3巻以降は電子のみ。

試し読み マンガボックス

ボーダーワールド-碧落のTAO-(木村聡)

荒廃した世界で逞しく生き延びる人類と、肉体を捨てバーチャル世界「ZONE」で生きるエーテル人。第二世代と呼ばれるデータ生命体のタオは、ガイストと呼ばれる機械に自らをインストールし、人類を「救済」する手続きとして彼らの肉体を破壊して回る。しかし左腕を機械化したひとりの女――ヒルダとの戦場での邂逅が、好奇心旺盛なタオの運命、あるいはこの戦争の行く末を大きく左右することになる。

ボーダーワールド-碧落のTAO-

BORDER1:”FACE/TO FACE”(1巻収録)より

まさか2巻で完結するとは思わなかった独創的な発想の戦争SF。なんでこう「これは!」と思う作品に限ってすぐ終わっちゃうかね。実肉体に興味を示すバーチャル生命体というタオのキャラクターは面白く、サラッとミもフタもないことを言うドライさを示しつつ、エロ本の罠にかかったりするあまりない造形の主人公です。


地味にメカデザインもシャレオツ。ヒルダの腕のアレは何がどうなってんでしょうか……?
「ワールドトリガー」やMMOマンガからさらに一歩踏み込んだ感じで、この手の発想にはまだまだ色々悪さができそうで可能性を感じます。

試し読み となりのヤングジャンプ

アクセル・ワールド(原作:川原礫 キャラクター原案:HIMA 漫画:合鴨ひろゆき)

仮想空間へのアクセスが日常となった世界。ぽっちゃり体形の中学生・有田春雪は「黒雪姫」と呼ばれる上級生にいざなわれ、脳処理のクロック数を爆増させる加速世界(アクセル・ワールド)のプレイヤーとなることに……綿密なSF設定とアバターたちのチーム戦、そして華やかなラブコメが同居する、電撃レーベルのヒット作。

アクセル・ワールド

第三話”(1巻収録)より

ストーリーがしっかりしていてかなり面白いんですが、6巻が原作3~4巻のダイジェストから始まるので、そこまで進む前に小説なりアニメなり見るほうが理想的。


バーチャル・ゲームもので同じくヒット作である「ソードアート・オンライン」の約20年後が舞台(直接のリンクなどはなく、同一世界軸かは不明)。色々あって本作にも一部SAOキャラが登場します。全8巻で完結、続きは原作で的に終了。

試し読み コミックシーモア

宇宙家族ノベヤマ(岡崎二郎)

「この世界はDNAで満ちている」――その一文から始まる地球外生命体からの電波受信により、うながされるようにして宇宙への進出を決意した地球人類。
息子が特殊なDNA配列を持つ「メッセンジャー」であることから、政府によって突然宇宙旅行乗組員に指名された日本人・野辺山。出世街道を捨てて家族との旅を選んだ彼は、やがて旅の末にメッセンジャーが持つ真の役割、そして自分が果たすべき使命を見出すことになる。

宇宙家族ノベヤマ

第5話”孤独な旅人”(1巻収録)より

主たるテーマは「文明の衝突」。その他生物論・社会論などが魅力のマンガですが、議論はサラッと読み飛ばしても楽しめます。
出てくる宇宙人はかなり全体的に人間っぽく、前提条件が色々共有されてたりするのでなんかな、と思って読んでましたけど、最後まで読んで納得。

「ビッグコミック」で2005~2008年不定期連載、全2巻で完結。
もともとバラバラだった家族は「宇宙」という困難に対して団結し、割とあっさり家族ものとしての問題は解消されます。宇宙に出てまでドメスティックな話をしててもしょうがない気もしますが、家族ものとしてはちょっとだけ不満。

試し読み コミックシーモア

バタフライストレージ(安堂維子里)

人は死ぬと、すべてのデータを退避させて蝶になる。一度滅びかけた人類は、放っておけば49日で消えるその蝶を「凍結」し、ビッグデータと化した故人データを有効活用することで復興の途を歩んでいた。そして同時にそれは、人が死んでもいく場所があるという安心感も人々に与えていた。
捕蝶管理組織「死局」のメンバー、小野百士は、かつて双子の妹の蝶を「傷の男」に奪われたことから死局に身を置いている。続々と発生する「蝶」にまつわるテロ事件の中で、傷の男と対峙する前にまず、彼は他のメンバーが同様に抱えた物語を目撃する必要がある――

読みやすいけどしっかりしたハードSF、世界観やさりげないテクノロジーの違いなどの作りこみが心地いいです。

仕事のできる痴女こと佐川さんがいいキャラだなーと思って読んでましたが、最初はただの人のいいおっさんポジだった田中さんがグイグイ別人になっていって久々におじさん萌えしました。地味にスーツに日本刀好きの人にもおすすめ。
全4巻で第一部完という形で完結。

試し読み 月刊COMICリュウ公式サイト

プラネット・ウィズ(水上悟志)

街を滅ぼし空を舞う巨大な龍、光を放ちそれに立ち向かうヒーロー……ひどくリアルな夢は、黒井宗矢の失われた記憶と関係があるのか? 現実世界でも不気味でかわいい侵略者「ネビュラウェポン」が現れ、やはり光を放つ七人のヒーロー「グランドパラディン」がそれに立ち向かう。そして宗矢は戦いを終えた彼らのひとりに接近し、その力の源である小瓶を奪うことになる――正体不明の怒りとともに。謎が謎を呼ぶ被侵略系ロボットアクション。

絵コンテみたいなマンガだなーと思ったらアニメ用に水上先生が1074ページのネームを描き下ろしたものが元だそうで、基本的にストーリーも演出も同様ということになりますが、アニメで拾い切れなかった描写やアニメを見たフィードバックも取り入れるとのこと。


というかアニメが作画ほんとに凄くて、正直時間あるならそっち先に見るほうがいいかもしれません。上の第一話は公式です。
マンガ読んだ感想としては、アニメ的な時間感覚、魅せ方、にぎやかさが意識されていてシンプルに面白い。いい作品だと思うんですけど、主人公のロボットデザインはそこまで子供っぽくしなくてもいいのにな、と思います。

試し読み Renta!

観測者タマミ(井田ヒロト)

密閉された箱や部屋の中に「ある」と信じた時、想像した通りのものを取り出す特殊能力を持つ少女・真明タマミ。彼女の元に臨時家庭教師として訪れた青年・征一郎は、友人にすらその身分を隠した詐欺師まがいの男だった。タマミの能力に目をつけた彼は、彼女を利用してのし上がることをたくらむが……。

観測者タマミ

観測#01″支配する側の少女”(1巻収録)より

みんな大好きシュレディンガーの猫をモデルにした超能力×事件もの。なにげに起こる事件がイカサマ暴きから盗難、オカルト、誘拐などと幅広く、それに対する征一郎の解決方法、タマミの「騙し方」が色々と創意に富んでいてあなどれない面白さです(地味に心理試験で犯人見付ける話が一番感心しました)。
キャラも妙にロリコン率が高いですがみなさんひねくれてて、会話劇だけ見ても味があります。

ある意味近い作品はハルヒ。ちょっと懐かしいノリで、ヒラコー作品とか、「NHKにようこそ!」とか好きな人もピンときそう。終わり方はちょっと無理矢理ですが、一応ちゃんと終わります。「ヤングエース」で2009~2010年連載、全3巻で完結

試し読み コミックシーモア

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