人間社会に疲れたら、少しだけ非現実の世界へ。おすすめアウトドア・キャンプ・登山マンガ

テテント・モリ

大雑把にアウトドア系漫画まとめです。登山ものとキャンプものは全然別のジャンルなので、作品数集まったら分離予定です。釣りものもとりあえずここ。
キャンプ・登山などは趣味として需要が高く、かつネタが多く起承転結もつけやすく、実用性も高めやすい(道具の使い方、手入れ、設営、料理、アクセスetc…)ので、マンガの題材に向いているジャンルだと思います。ぶっちゃけ背景も比較的楽だと思うんですが、これは作画の方向性にもよります。

【オススメ】ゆるキャン△(あfろ)

山梨の高校に転校してきた各務原なでしこは富士山にテンションが上がり、キャンプ場でほぼ遭難していたところをソロキャン中の志摩リンにサルベージされる。これをきっかけに彼女はアウトドアにどハマりしていくことに……。山梨の女子高生がまったりキャンプにいそしむ日々を描く大人気作。

ゆるキャン△

第11話”冬キャンと四尾連湖”(2巻収録)より

ものすごく平和な世界観で、キャンプ版「けいおん!」という感じ。小動物、クール、賑やかし、眉毛とメインキャラ配置も踏まえてるよーな。
影を縦線で描いてるのが凄くいい仕事をしていて、特に「視界良好な夜」を表現する時、点の集合体のトーンより縦線のほうがリアルで空気が澄んでる感じがします。ただ小さい画面で読むとちょっとうるさく感じるかも。

また、道を描く時などに人や他の車を一切出さないことがよくあり、画面に人類が滅んだ世界のような静謐な癒しがあります。画面内でSNSのメッセージが飛び交うのが現代的、あとは魚眼レンズのような風景描写など、絵的に面白い工夫が多い作品だと思います。
キャンプやりたくなる度もかなり高め。2015~2019年「まんがタイムきららフォワード」で連載、2019年~「COMIC FUZ」に移籍。

類似作 けいおん!、ヤマノススメ

試し読み Comic Fuz

ふたりソロキャンプ(出端祐大)

自然と焚火とひとりの時間を愛する孤高のソロキャンパー・樹乃倉厳(34)。今日も誰もいないキャンプ場でひとり楽しむはずが、至高の時間は道に迷った女子大生・草野雫(20)によってものの見事に乱されてしまう。見るからに初心者の彼女はなぜか厳になつき、「ふたりで」「それぞれ」ソロキャンプをすることを申し出る。当然頑なにそれを拒否する厳だったが、意外と押しに弱い一面が……。

ふたりソロキャンプ

第3話”もう辛抱ならんっ!”(1巻収録)より

ゴリゴリのキャンプ布教マンガで、年の差ラブコメ要素も出てきます。かわいく描かれた雫がなにげにガタイいいのがなんかリアル。
バラエティ豊かなキャンプ飯は食指をそそり(レシピ付き)、道具の使い方から火の起こし方から解説してくれるので、キャンパーには勉強になるし、そうでない人も今晩の献立が決まります。


厳のこじらせた性格も面白い。コミュ障というより興味のないことへの愛相づきあいができないタイプで、客観的に見ると雫さんそれは結構手ごわい物件では……とも思うんですが、まあでも基本いい人です。
「イブニング」で2018年~連載。

類似作 山と食欲と私

試し読み モアイ

さぐりちゃん探検隊(あきやま陽光)

子供の頃よく遊んだ、身体が弱い幼馴染のさぐりちゃん。成長し、ゲーム好きの立派なインドアに育った少年・紡の前に、予想以上に元気になったさぐりちゃんが現れ、彼をアウトドアの道へと誘い込む――そのへんの公園から山登り、北海道から南の島と活動領域を広げていくアクティヴィティ・コメディ。

さぐりちゃん探検隊

第1回”根岸森林公園一等馬見所”(1巻収録)より

最初はご近所お散歩みたいな感じですが、段々県外に足を伸ばすようになり、キャンプしたりケイビングしたり、いきなり野食の回があったりでアウトドア総合取り扱いマンガになっていきます。作者がやりたいことを片っ端からやってるのではないか説もある。
概ね取材先を紹介することがメインで、各回見どころがカラーページになります(電子のみ)。


絵は人物・背景ともにハイレベル、さぐりちゃんもかわいいんですが、人物の深掘りや恋愛ドラマがシチュエーションとうまく絡まず、学生×アウトドアにつきものの金銭問題もざっくり処理されるあたりが難点。
撮影の話題も多いです(協力に写真家の詩歩さん)。『少年ジャンプ+』2017~2019年連載、全4巻で完結

類似作 夢喰い探偵―宇都宮アイリの帰還―

試し読み 少年ジャンプ公式サイト

孤高の人(原作:鍋田吉郎/高野洋 原案:新田次郎 漫画:坂本眞一)

周囲から心を閉ざした転校生の森文太郎は、粗暴な同級生の宮本一にけしかけられて「自分にかまわないこと」を条件にひとつの賭けをする。ルールは、校舎の外壁を登り切ること。しかしこの体験は、森の運命を登山の世界へと大きく捻じ曲げることになる……新田次郎の名著を原案に、ストーリーを再構成したコミカライズ。

面白いスポーツものの例に漏れず読むとやりたくなります――序盤だけは。対人関係が苦手な主人公が部活を通じて友人を獲得していきそうな導入から一転、「おれには山だけあればいい」とばかりに平和な日常の全てを切り捨てる極限的なストイックさが物語を支配していきます。
ある意味最強のぼっちマンガと言えます。


「フリーターをしながら夢を追う」ことの暗い現実と、異様な熱量の山の描写の対比。そして物語を悪夢じみたものにする、手を変え品を変える破滅と転落。
連載途中で原作クレジットが消え、キャラの扱いもとんでもなく、かなり大きい方針転換があったことが察せられます。
「週刊ヤングジャンプ」で2007~2011年連載、全17巻で完結

類似作 岳、神々の山嶺

試し読み ソク読み

山を渡る -三多摩大岳部録-(空木哲生)

部員が来なければ廃部の三多摩大学山岳部に、あろうことか未経験・運動音痴の3人娘がやって来た。どうあっても新入部員を逃がしたくない山岳部員たちは、懇切丁寧な説明と実践で包囲網を敷く戦術に出るが……山の魅力を包括的に表現する山岳部群像ドラマ。

ベースはキャラの個性的な大学生もので、トボけたギャグの応酬は山岳ものらしからぬ軽さ。これに加えて複雑な装備のクライミングや道具の「補修」「手入れ」の解説、やたら美味そうな食事描写など、初心者からガチ勢まで手を変え品を変え楽しませる間口の広い作品です。

特に雨具のくだりはかなり笑いました。山岳ものでストイック過ぎないのをお探しであればマストの作品です。「ハルタ」で2018年~連載。

試し読み ComicWalker

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