お母さんをわたしにください!
恋愛/同棲マンガのゴール地点だったり、夫婦マンガの開始時点だったりする「結婚」ですが、イベントとしてはやはりデカく、マンガの題材としてメインで取り扱われることも多いです。親子姑関係や結婚式関連のいざこざ、マリッジブルーなど、なにかしらの問題が主題になることが多いです。
乙嫁語り(森薫)
馬や隊商によって言語や人種がゆるやかに混じり合いつつ、地域ごとに特色のある文化が営まれる19世紀中央アジア。遊牧民、定住民、港町、山岳地帯、姉さん女房、はねっかえり、未亡人、富豪の妻――「結婚」を主軸に異国情緒あふれる生活を描く、森先生の長編第二作。
↑PVちょっとネタバレ気味。未読の方は1:45ぐらいで止めることを推奨します。
偏執的な模様や刺繍の描き込みで有名な作品。クリミア戦争やロシアの南下政策など歴史要素、シビアで豊かな中東的生活も描写されます。
動物も生命感を持って描かれ、それを狩って誇らしげに掲げるアミルを見ると説明の難しい気持ちになります。
試し読み BookWalker
花園さん、結婚するんだって(三つ葉優雨)
学校のアイドル、ミスコングランプリの花園さんが妊娠して結婚するという噂は、一瞬で学校内を駆け抜けた。相手は誰なのか? 学校は辞めるのか? ――彼女と遠い人、近い人、そして彼女自身、そのスキャンダルに触れた人々の心の動きを描く一冊完結のオムニバス作品。
全体としてありふれた幸せについての物語です。実際に結婚した経験のある女性におすすめ(たぶん一番感情移入できる)。愛娘が高校生のパパにもある意味おすすめ。
試し読み コミックシーモア
愛しのアイリーン(新井英樹)
宍戸岩男、42歳、独身。高齢の両親に見合い話を持ち掛けられるも、彼には心に決めた職場の女性がいた。遅咲きの恋に胸を膨らませる彼がなぜ姿をくらませ、金で買ったフィリピン人の妻を連れ帰ることになったのか、そしてその愛のない結婚の顛末は……。国際結婚と高齢化する過疎地域の現実を描き、バブルの余韻を残すスピリッツに冷水を浴びせかけた新井先生お気に入りのダーク・ラブストーリー。
アイリーンの行動にはどうかと思うようなものもあるんですが、といって岩男に感情移入してしまうと自分自身の醜い部分を突き付けられるようで、色々思い悩みながら読みました。目を背けたくなるような現実を、複数合体して坂道から蹴り落としたような作品です。
怪獣映画みたいな夫婦喧嘩が前半の見せ場のひとつなんですが、その時に話を聞く駐在さんの台詞とか良かったです。脇役がみなさんクセがお強く、それぞれの生き様を示すような名言をひとつふたつ残していくのも本作の魅力のひとつ。
「ビッグコミックスピリッツ」で1995~1996年連載。ビッグコミックで全6巻で完結、新装版(描き下ろしの追加エピソード付き)で全2巻。
試し読み スキマ
他にもこんなマンガが薬指をうっとりと見つめています
※クリックすると該当の記事へ飛びます