もう一発撃てるドン!おすすめヤクザ・暴力団・マフィアマンガ

断れないオファーをするだけさ

1992年からの暴対法を受けて、最近とんと影の薄いヤクザのみなさんを扱うマンガカテゴリです。その設定・世界観の特殊性から常にニーズはあり、ぼつぼつ新作も出ていますが、昔と今ではほぼ別ジャンル。とはいえ共通する部分はあり、大人同士がガチ喧嘩するのはもちろん、組織政治的な攻防があったり、損と分かっていても行かざるを得なかったり、兄弟分と袂を別ったりの哀愁成分があったりでなにげに大人向けの作品が多い印象。
暴力団・ギャングとマフィアは組織運営の理念が異なりますが、とりあえず一緒くたに紹介します。殺し屋マンガもかなり高確率でヤクザが登場しますので、よろしければ合わせてどうぞ。

日本極道史(村上和彦)

義理と人情を秤にかけりゃ、面子がのさばることもある――悪党たちがしのぎを削る日本裏社会を舞台に、渡世のしがらみにがんじがらめになる男たちの挽歌を描く極道オムニバス劇画。1970年より「昭和極道史」として連載され、後に「日本極道史 昭和編」として再編(全35巻で完結)。その後平成編、番外編が発表されています。

日本極道史

“黒白の仁義”(昭和編31巻収録)より

スターシステムを採用した結果、オムニバスなのに主人公がほぼ毎回ゴルゴなことで一部の層に有名な作品。話によっては脇役や兄貴分もゴルゴで、ゴルゴ三人で談笑し始めたりするので笑わないほうが難しいです。ある意味ネタ漫画として優秀。
ゴルゴ以外の顔もバリエーションが少なく、全く同じ顔(髪の色、顎鬚、そばかすのある/なしで判別)が差し向かいで口論するなどは日常茶飯事。連続で読むと徐々に混乱してきますが話自体は面白く、任侠ものとして正統派。

発表順もミックスされているので、一冊の中でもエピソードごとの執筆時期が異なり、正直だいぶ当たり外れがあります。おすすめは立志伝からの兄弟相克を描く「首領への道」(7~11巻)、小悪党が口八丁で親分方を翻弄する「仁義絶叫」(30~34巻)。現在入手が容易なのは電子書籍版のみ、Kindle Unlimited対象作品。

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【オススメ】来世は他人がいい(小西明日翔)

関西の指定暴力団直系染井組に生まれ、周囲に揶揄されながらも一応普通の女子高生として育った染井吉乃は、突然東京で同じく関東ヤクザの孫息子・深山霧島と婚約することになる。一見涼しげな優男の霧島だったが、実はタガの外れた暴力性とねじれた性癖を隠し持ち――次に来るマンガ大賞2018年第1位の注目作。

来世は他人がいい

第1話”負け犬に出る幕はない<前編>”’(1巻収録)より

一応恋愛マンガという触れ込みなんですがバイオレンスな描写が頻発、優しげなおじいちゃんたちも孫を使ってパワーゲームをしていることが明らかになります。ちょっとこれを恋愛カテゴリに置くのははばかられる。
霧島のキャラクターも恋愛マンガの相手役として完全にアウトなんですが、スーツの似合う常に笑顔の高校生ヤクザ(冷酷だけど自分にはベタ惚れ)という設定は参っちゃう人もいるでしょうな、という感じ。


現代的な作品で、義理人情とか期待して読むものではないです。しっかりした硬質な線で描かれていて、妙に鼻が逞しかったり表情が張り詰めていたりするので、女性的な絵でありながらオジサン成分多めの極道ものとして違和感がないです。
「アフタヌーン」で2017年~連載。

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極主夫道(おおのこうすけ)

任侠界にその名を轟かせる伝説のヤクザ・”不死身の龍”――姿をくらませた彼は今、とある商店街に暮らすひとりの男と化していた。ただし、元のまま留まっていたわけではない。
人一倍手際よく家事上手、ママさん交流会や文化教室にもマメに参加、それでいて忙しく働く奥さんのケアも怠りない。極道系主夫の日々を描く、ちょっとシュールな日常系コメディ。

極主夫道

第1話(1巻収録)より

元ヤクザ×家事上手系マンガ。その画力必要? というぐらい龍の顔面は迫力満点に描写され、出てくる料理もおいしそう、地味にタメになる家庭の豆知識も得ることができます。自分の嫁さんに読ませるのはあまりおすすめしませんが(変な影響受けそうなので)。

ハマってる回はかなり笑えますが、やってることは一発芸に近いです。次に来るマンガ大賞2018web漫画部門第3位。

試し読み pixivコミック

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