ハヒフヘホー
海賊マンガおすすめセレクトです。基本悪人が主人公になるのでやや作品数が少なめなジャンルではあるんですが、海賊の定義からちょっとちがう作品、切り口のちがう作品などもなるべく追加していきたい所存です。
現代でも神秘性の残る海の世界を舞台とし、タコだのサメだのリヴァイアサンなどを相手どる中世の地図のようなイメージも相まって、ファンタジー的な世界観を展開することもしばしば。
ヴィンランド・サガ(幸村誠)
コロンブスがアメリカ大陸を発見するより、さらに数百年前。北海を船で交易するレイフ・エイリクソンはすでにアメリカ北部に到達し、これをヴィンランドと名付けていた。その冒険物語に憧れた少年・トルフィンは、刺客に父を殺された復讐に囚われ、思い描いていたのとはちがう形で北ヨーロッパ各地を旅することになる。略奪の民デーン人、すなわち後世に名を轟かすヴァイキングの一員として。
色んな意味で「ベルセルク」に似たテイストがあり、11世紀初頭の北海帝国時代を描いた軍事ものとしてエンタメ性と描きこみは圧巻。バトルから一転農作業が始まるあたりはバガボンドも彷彿とさせます。おおよそ14巻までが前半。
なお、トルフィンもレイフも実在の人物で、原作(?)は古ノルド語で書かれたアイスランドのサガ(散文学)。
「週刊少年マガジン」で2005年開始、同年「月刊アフタヌーン」に移籍して連載中。
類似作 ベルセルク(三浦健太郎)、バガボンド(井上雄彦)
試し読み アフタヌーン公式サイト
ONE PIECE(尾田栄一郎)
伝説の男ゴールド・ロジャーが残した「ひとつなぎの大秘宝」――ワンピースを求め、世界中の海賊たちが覇を競い合う大海賊時代。東の海(イーストブルー)の小さな村に住み、海賊に憧れる少年・ルフィは、世にも珍しい「悪魔の実」を食べたことから身体が伸び縮みするゴム人間になってしまう。しかし悪魔の実の能力には、「泳げなくなる」という重大なデメリットが――無名の少年が仲間を集め、やがて世界にその名を轟かせる「麦わらの一味」へと成長する姿を描く、海洋ロマン能力系ファンタジー。
序盤はシンプルですがしだいに群像劇の様相を帯び、時々読むのでは把握し切れない壮大な話になっていきます。時間のある子供がどっぷりつかるには最適の作品ですが、正直ゴチャっててオジサンにはつらい。
読者との過剰なコミュニケーションにも定評があり、週刊連載をこなしながら毎巻SBSと呼ばれる読者コーナーで葉書を読みイラストを選び、重箱の隅をつつく質問に答えてるのは地味にすごい。
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村上海賊の娘(原作:和田竜 漫画:吉田史朗)
戦国時代、戦国武将からもその武力を恐れられた、瀬戸内海を席巻する「村上海賊」。
彼らのもとに毛利方から寄せられた依頼は、信長によって兵糧攻めにあう本願寺への物資搬入だった。
対価は当時の感覚でブスとされる娘・景を毛利の武将が娶ること。第一次木津川合戦の史実をベースにした、ベストセラー歴史小説のコミカライズ。
戦争描写は凄惨で首とか腕とか飛びますが、斬った側も斬られた側もひょうひょうとしてあまり悲壮感がなく、「遊び」を見ているような感覚でした。
絵は達者で乱戦でも誰が何をしてるかわかり、ストレスなく読めます。全13巻で完結。
試し読み コミックシーモア