俺は前世で何をした? 前世・輪廻転生系おすすめマンガの時を超えて邂逅する謎と縁

心が身体を追い越してきたんだよ

どうも、前世がインパラの管理人です(ゲーセンの変な機械調べ)。転生ファンタジーも作ったということで、セット的な存在である輪廻転生マンガのご紹介となります。前者が「誰々が異世界に転生してわけわからんことに」的なマンガだとしたら、こちらは「誰々が前世ではなんかやらかしたらしい」的なマンガが多くなります。まあでも、ひたすら生まれ変わっていくマンガなんかもあったら面白いですね。そういうのも大体こっちです。
多くの作品がミステリ的な要素を持ち、同時にファンタジー・SF的な要素を併せ持ちます。小説や映画などで名作がいくつかあり、何気にヒット作を生みやすいジャンルのような気がします。

スピリットサークル(水上悟志)

中学2年生の桶屋風太には、生まれつき頬に奇妙な形の痣と、「霊」が見える力があった。痣を目にした転校生の美少女・石神鉱子は、彼の胸ぐらを掴み突然謎の輪っか――スピリットサークルで彼を殴り飛ばす。階段から転げ落ちた彼が見たのは、まるで見覚えのない風景と罪深き自分の前世だった。数多くの謎と死に彩られた生まれ変わり系大河ドラマ。

スピリットサークル

22輪目”ラファル・1″(4巻収録)より

個人的には水上先生だと「惑星のさみだれ」よりこっちのほうが面白いと思います。前世の物語はひとつひとつが(変なのもありますが)ドラマチックで、連作短編としても味わい深く、全体を通して壮大。


水上先生がスピリチュアルにハマった原因が最終巻巻末で明かされていて「あれか」となりました。そっちの実体験マンガも読みたい。全6巻で完結。


結末を考えずに始めたという割にはしっかり伏線を回収し、きれいにまとまってる作品だと思います。とはいえ結局スピリットサークルが過去生を見るたびに炎を集める理由がよくわからない(風太と鉱子が決闘をするという人力による結末の準備にしかならない)あたりとかは色々と大雑把だなーと思います。「神の手」をかき集めて無理矢理収拾つけてる感はある。

ただ転生で「悪」となることにも必然性がある、というような流れはなるほどと思わされました。前世ものでこの締め方は結構鉄板な気がします。

【オススメ】ぼくの地球を守って(日渡早紀)

月基地で暮らす、七人の若い科学者――東京の高校へ転入してきた坂口亜梨子は、クラスメイトが話す「前世の夢」についての話を聞いたことをきっかけに、彼女自身もそのメンバーの一員だった夢を見る。さらにある事件をきっかけに、隣人の小学生小林輪も覚醒してしまう――
前世から引き継がれるトレンディドラマであると同時に、フーダニット・ミステリ的な部分もそそるSF漫画の超有名作です。徐々に判明していく月でのヘビーな顛末、裏と表の顔を見事に使い分け、その中で引き裂かれそうになっていく輪くんの姿は多くの読者の支持を集めたようです(そういう内容のお手紙が巻末で紹介されています)。

最後に明かされる輪の目的は少し唐突なものですが、この目的を推進力に組み立てられた序盤からの一連の流れが見事で、全21巻を淀みなく繋げる一本の線があります。名作と呼ばれるだけのことはある作品です。

全21巻で完結。次世代編として、「ボクを包む月の光」(全15巻)「ぼくは地球と歌う」が発表されています。絵が大分変ってしまったのは残念ですが、彼らの「その後」が気になる方はどうぞ。

【オススメ】ボクラノキセキ(久米田夏緒)

前世で亡国の王女ベロニカだった記憶を持つ少年・皆見晴澄。かつてそれを口にして馬鹿にされた過去を持つ彼は、そのことを隠して日常生活を送っていた。しかしある出来事をきっかけに、周囲の生徒たちが次々に過去の記憶を取り戻し始める――
「なぜ」ゼレストリアは滅んだのか? 「誰が」その引き金を引いたのか? それぞれの推理と思惑が複雑に入り乱れる、疑心暗鬼系転生ファンタジー。

ぼくたまのミステリ部分を倍プッシュしたような作品で、めちゃめちゃ面白いです。ただし、キャラクターが多い割に描き分けが甘く、誰が誰で誰の前世が誰なのか理解するのに苦労するというかなり強力な欠点を抱えています。まとめ読み推奨。

来世のお越しを!(鈴音ことら)

どれだけ努力しても結果は無しのツブテ、自分の名前にひっかけてバカにされ続けた少年・有野礫(つぶて)。失意のうちに電車の前に飛び出してしまった彼は、この世とあの世の境目にある旅籠「黄泉路」で目を覚ます。そこで未練をわずかなりとも晴らそうとする魂を見た彼は、最後の49日間をそこでのアルバイトに費やすことを決め、その日々の中で様々な出会いと別れを経験することになる。

来世のお越しを!

第8話(2巻収録)より

ツブテは明るくお人よしの好青年で、美人の女将さんやツンケンした同僚、アホの子、おっさんくさいセミなどひととおりキャラもにぎやかでギャグっぽい作品です。ただし舞台は死後の世界なので重い話、怖い話、泣ける話も盛りだくさん。



「サイコミ」で2017~2018年連載。全4巻で完結。

試し読み サイコミ

前世カップリング(杜若わか)

「来世で私を幸せなお嫁さんにしてね……」かつての約束を忘れず、前世の恋人・雛を探し当てた八尋。しかし彼女はすくすく育って女子高生、かたやこっちは男子小学生……! 使用人と姫、飼い主と猫、犬猿の仲の男女がそれぞれ記憶を持って生まれ変わる転生シチュエーション・ラブコメディ。

転生もの特有の問答無用で設定をキャラに流し込めるという特性をフル活用して、ありそうであまりないドタバタラブコメを作ってます。これ、使い方次第で色んなことできるアイデアですね。

やりとりがほほえましくギャグも面白く、人気出そうです。八尋と雛はほとんど「ぼくの地球を守って」で、おねショタ好きの方も楽しめる作品。

試し読み pixivコミック

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