視点が変われば物語も変わる。スピンオフ・番外編おすすめマンガが見せる同じ世界の違う顔

世界を変えたければまず自分が変わらないと


そういう意味ではないフレーズをまず頭に置きつつ、スピンオフ(派生作品)のおすすめマンガのコーナーとなります。元作品の人気にあやかれることからある程度売りやすく、かつ世界観・キャラクターが確立された状態からスタートするので新人の修行場としてもよく使われている印象で、クオリティは玉石混合。そん中でも面白かったかな、というのをチョイスしています。
とはいえメイン作品に登場しないキャラが主人公だったり、時代設定や年齢が全然違ったりすることもままありますが。スピンオフの皮をかぶって世界観をブチ壊しにかかる作品も多いんですけど、ギャグ系スピンオフは似せてんのがパロディ、そうでもないのはこっち、というニュアンスで分けることにしました。
なお、同作者による別作品が実は同じ世界観で、あとから両作の主人公が共演したりすることもままありますが、基本そういうのは含まない方針です。

【オススメ】岸辺露伴は動かない(荒木飛呂彦)

「ジョジョの奇妙な冒険」第4部に登場する、相手を本にするスタンド「ヘブンズ・ドアー」を操る天才漫画家・岸辺露伴――「体験はリアリティを生む」を信条とする露伴先生が出会った奇妙な話、不気味な出来事を綴る取材記。1冊完結かと思いきや2巻が2018年に刊行されました。

ジョジョで使えなかったアイデアを炸裂させたような作品が多く、1冊ものとしてのアイデアの量はおさすが。元はシリーズ化の予定がなく、第1作の「懺悔室」は「死刑執行中脱獄進行中」にも収録されています。

正しいマナーを示さないと土地を買えない「富豪村」、密室殺人と妖怪譚を絡めた「六壁坂」、肉体改造に取りつかれた男とのトレッドミル・ゲームを描く「ザ・ラン」なんかが印象に残っています。
これと「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」は本編とは設定が異なり、パラレルワールド扱いらしいです。

試し読み S-MANGA

ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-(原作:堀越耕平 脚本:古橋秀之 漫画:別天荒人)

三点接地で地面を拘束移動できる「個性」を持ち、親切マンとして地味に社会に愛される少年・灰廻航一。地味かつ堅実な生き方をしていた彼だったが、鉄拳ひとつで敵(ヴィラン)と殴り合うナックルダスターと出会ったことから、非合法(イリーガル)ヒーローとして「個性」を暴走させる違法ドラッグ事件に立ち向かうことになる。

原作は「僕のヒーローアカデミア」。主人公は「オールマイトに出会えなかった緑谷出久」がコンセプトだそうです。あっちが全寮制の進学校なら、こちらは夢追いフリーターという感じ。

原作キャラクターもちょいちょい登場。アメコミ好きな人だと「おっ」と思うシーンがあるかもしれません。単体作品としてもちゃんと読める水準にある良心的な作品だと思います。

試し読み 少年ジャンプ+

るろうに剣心 裏幕―炎を統べる―(漫画:和月伸宏 小説:黒碕薫)

東京・吉原で花魁として花の盛りを迎える美女・華焔。彼女がのちに駒形由美として心酔することになる志々雄真実は、この時はまだ突然現れた不気味な客に過ぎなかった。「るろうに剣心」十本刀の前日譚を描くスピンオフ。

前半がマンガ、後半が小説という珍しい作り。ストーリーラインは同一ですが小説のほうは視点がちがい、マンガではカットされてる描写が補完できます。これを水増しととるか、読み比べる楽しみがあるととるかで評価は変わると思います。

内容的には方治のロマンスがあったり、子供相手に本気出す宗次郎が見れたりで面白く読みました。裏話によると遊郭関連の作画で苦労があったようなので、そのへんも注目して読むと楽しいかもしれませんね。

試し読み S-MANGA

【オススメ】今日のテラフォーマーズはお休みです。(原案:貴家悠,橘賢一 服部昇大)

火星へ向かう途中で不時着した星は、気候温暖、美しいビーチ、温泉まで備える実に過ごしやすい星だった。休暇に突入するアネックス1号のクルーだったが、じょうじじょうじ言いながら女性クルーに忍び寄る黒い影の存在には気付かずにいた――本編のイメージをブチ壊す、「テラフォーマーズ」の南国系ギャグスピンオフ。


かなり笑える良質なギャグ漫画で、個人的に「となりのヤングジャンプ」で一番更新を楽しみにしていた作品です。内容はアドルフ艦長が少女マンガにドハマりしたりゴッド・リーが千羽鶴折ったりと休日感あふれる仕上がり。人は一切死にません。

一応ネタバレしてるのと、ある種キャラ崩壊のギャップを楽しむマンガなので本編読んでからのほうが推奨。全6巻で完結。

試し読み となりのヤングジャンプ

オーバーロード 不死者のOh!(原作:丸山くがね キャラクター原案:so-bin 漫画:じゅうあみ)

あらすじとか特にないんですが、雨後の筍のようににょっきにょっき生えてきた売れ線マンガのギャグ系4コマスピンオフ、の中で結構良かったのがこちらです。本編とまとめて読みましたがキャラクターとかよく掴んでて違和感なく、「これ、パロディと言っていいのか?」と色々考えたことがこのカテゴリの基準に一役買ってたりします。

毎度巻末にメタネタの回があり、4コマスピンオフのタイトルをみんなで考えたりする展開が好物です。運動会やったり人狼ゲームやったり、普通の回もハズレがない。

アニメのほうのおまけで「ぷれぷれぷれあです」というのがあってちょっとだけ見ましたが、そっち好きな方だと絶対好き。本編では出番薄め(存在感は濃厚)なパンドラズ・アクターと恐怖公(常時モザイク)がある意味八面六臂の大活躍を見せてくれます。

ざ・ふぁぶる(南勝久)

最強の殺し屋「ファブル」の物騒な休養期間を描き、ヤンマガでも屈指の人気作となった原作――に登場するキャラクターたちの、さらに休日を切り抜いたサイレント形式のスピンオフ。

原作、それも13巻ぐらいまで読んでから読むのを推奨。作者同じなので当たり前ですが、ほぼ原作読んでるのと変わらない印象です。

ネタは軽量級ですが各キャラの性格やエピソードをうまく使ったもので、4話とか好きですね。コミックDAYSにて連載中。

試し読み コミックDAYS

賭ケグルイ双(原作:河本ほむら 漫画:斎木桂)

転入試験に合格し百花王学園に入学した早乙女芽亜里は、ギャンブルに狂った学園のルールの中で爪を磨き、数々の強敵と頭脳線を繰り広げながら次第に頭角を現していく。ついには学園内の派閥争いに巻き込まれていくことになるが――「賭ケグルイ」本編から一年前、蛇喰夢子不在の時代を描くスピンオフ。


絵はちがう人ですが十分に上手いです。本編同様一冊ずつに分かれたギャンブルもの。夢子と比較して芽亜里は普通の人なので感情移入しやすく、本編より話はスッキリしてる印象があります。

反面夢子の性格を利用したトリックなどは使用不可。作中で「デジタル」と表現される芽亜里のキャラクターを反映してか、ガッツリイカサマというよりは数学的な期待値の高さを扱ったトリックが多いです。ギャンブルものとしては正統派といえば正統派。

あとこのマンガ芽亜里が善人みたいになってますけど、本編第1話にちゃんとつながるんでしょうか……(パラレルワールドかな)

試し読み 賭ケグルイ公式サイト

土竜の唄外伝 狂蝶の舞(高橋のぼる)

「土竜の唄」本編では主人公・玲二の兄弟分として圧巻の存在感を放つ和製プレスリー・日浦匡也。そんな彼がいかにしてヤクザの道に足を踏み入れたのか? 時はバブル全盛、18歳のクレイジー・パピヨンを主人公に据えた性と暴力のフルスロットルスピンオフ。

スピンオフとは思えぬ本気っぷり。本編未読でもあんまり支障ないです。
阿湖正義がメインキャラクターのひとりであり、まだ売り出し中の轟周宝も登場。オジサンフェチが泣いて喜ぶ濃厚な加齢フェロモンが漂ってます。パピはあんま変わんないですが、こんな18歳はいない。

全9巻で完結。最後はちょっと強引でしたが、いい感じの読み応えでした。月原のスピンオフも読んでみたいな……。

試し読み コミックシーモア

コードギアス 反逆のルルーシュ外伝 白の騎士 紅の夜叉(シナリオ:高橋びすい 漫画:曽我篤士)

2006年1期放送開始、2008年2期放送、その衝撃の内容で幅広い視聴者を惹き付けたTVアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」。その間の空白の時間――1期の後、主人公の親友にしてライバルの枢木スザクは何をしていたのか。2期の間、「黒の騎士団」エースパイロット紅月カレンは何を考えていたのか? ――サブキャラを中心に描かれるオリジナル・サイド・ストーリー。

こちらはアニメ原作。2019年の新劇場版に合わせた企画っぽいですが話は新規。新キャラも違和感ないし、部下に対するカレンやスザクが新鮮でした。新兵クラスをKMF操縦で圧倒する玉城が見れるのはこのコミカライズだけ!

ちなみにコードギアスは他にも大量にコミカライズがありますが、なぜかパラレルワールド設定の作品が多いです。ロボットものアニメのコミカライズなのにロボットが出てこなかったりする。本作は原作準拠ですが原作からして2種類あるという……(TVを再構成した劇場三部作というのがある)。これ書いてる今ちょうど帽子奪うゲームやってるんですけど、この後の展開がTVだとエグいので、どっちかなーという感じ。

試し読み コミックNewType

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