どういうことだってばよ
このカテゴリ作るにあたってひとつ懸念事項なんですが、ナルト10巻ぐらいまでしか読んだことないんですよね。読まなきゃなあ、とは思ってるんですが長すぎる。なんか続編始まってるし。読んだらたぶん追加することになると思いますが読めるかな……。
まあそういうわけで忍者系マンガのおすすめセレクトです。ぜんぜん忍ぶ気のなさそうな人たちも混ざってますが「忍者だ!」と主張していれば割と簡単に入れてます。逆に「あずみ」みたいに実質忍者マンガっぽくても、忍者扱いされてなければ外してます。このサイトではよくあることですが言ったもん勝ちです。
ちなみに、甲賀とか伊賀とかよくわからんので忍者の違いとか歴史とかの簡単なまとめ作りました。良かったら読書のおともにしてやってください。
バジリスク 甲賀忍法帖(原作:山田風太郎 漫画:せがわまさき)
忍の二大宗家、甲賀と伊賀。不戦の誓いを交わしつつも憎しみ合う両者だったが、甲賀の弦之介と伊賀の朧が恋仲に落ちたことにより、ついに四百年に渡る宿怨から解放されようとしていた。しかし徳川家の意向により不戦の誓いは破棄され、選ばれた忍同士が殺し合う殺戮の宴が幕を開ける。そして弦之介と朧もまた、否応なくその残酷な運命に巻き込まれていくことになる――
大変シンプルな作りですが雑味がなく、一気に最後まで読まされる貫通力があります。
原作未読。ちなみにバジリスクとは「博物誌」等に登場する、視線で人を殺すとされる怪物のこと。続編(またはスピンオフ)にあたる桜花忍法帖は原作者ちがい、ぜんぜん別物なので甲賀だけで完結しても問題ないです。全5巻。
忍者と極道(近藤信輔)
極道の世界で囁かれる御伽噺、「裏社会(ウラ)で悪事(わるさ)かますと、忍者が来襲(く)る」。しかし極道もいつまでも狩られるだけの存在ではない。「帝都八忍」と「破壊の八極道」の潰し合い、その最中……忍者側の若獅子・多仲忍者(しのは)と極道側の猛虎・輝村極道(きわみ)は、女児向けアニメを共通言語に親友と言ってもいい関係になっていた。やがて引き裂かれることが約束された、彼らの運命の行き先は――?
熱く時には美しい展開のかたわら、ネタ要素にも事欠かないためネットの感想はなかなかの賑わい。ほとんどのキャラは死ぬと同時に首が飛ぶんですが、首が飛んだ状態で結構喋るあたりはほとんどギャグ漫画。相原コージかなんかも若干入ってる感じがします。
「コミックDAYS」で2020年~連載。
類似作 バジリスク 〜甲賀忍法帖〜(原作:山田風太郎 漫画:せがわまさき)
試し読み pixivコミック
衛府の七忍(山口貴由)
この世に恨みを残して死んだものたちが、「衛府」の力を借りて復讐のために蘇る――徳川が豊臣残党を狩っていた時代を下敷きに繰り広げられる、変身化け物乱闘マンガです。正直全然忍者感ないです。タイトルだけです。
最近ハードな作品が多かった山口先生ですがこれは初期のノリに近く、巨大化して故郷の川に戻ってきた鮭を見るような感慨があります。
山口先生はスターシステムを採用されていて、特にコレは見たことあるキャラがうじゃうじゃ出てきます。そういう意味でもこれはある程度過去作を知ってから読むのがおすすめ。
忍びの国(原作:和田竜 漫画:坂ノ睦)
時は戦国時代、伊賀の国に潜む「人間ではない」と称される非情な忍びたち。その中でも最強と言われる無門という名の忍びがいた。そんな彼にはひとつの弱点があった――惚れ抜いた恋女房(予定)に頭が上がらず、彼女のために年四十貫文(1貫=10~15万円くらい)を稼ぐ身分にならねばならぬのだ。ただ彼女と一緒に平穏に暮らすことのみを望む無門だったが、政治トップの十二評定は武名を天下に轟かさんと、伊賀を揺るがすある策略を立てていた……。
舞台は主として天正伊賀の乱の伊賀。伊賀忍を銭ゲバの傭兵として描き、実際の歴史に独自の脚色を加えた原作をうまいこと漫画化しています。絵と線に和風の世界観があって、少し粗いですが慣れるとしっくりきました。
全4巻、5巻はアンソロジーで色んな作家さんが番外編を描いてます。
試し読み ゲッサン
アンダーニンジャ(花沢健吾)
Nimble Invisible Nightly Japanese Agent――NINJA。戦後GHQにより解体されつつも、近年不穏化する世相を受け再び暗躍の時を得た彼ら20万人の中には、うだつの上がらぬものもいる。髭面に短パン、アパート内の住人の飲食物を拝借する無職感あふれる下忍・雲隠九郎は、男性の局部を切り落とす外国人の成敗を命じられるが――花沢健吾流シリアス・コメディ。
最新技術を使った色んな忍具が出てくるのも「007」的で楽しい。「週刊ヤングマガジン」で2018年~連載。
試し読み ヤングマガジン公式サイト
サラ忍マン(新田たつお)
仕事はできない、妻には嫌われているダメリーマンの田中一郎。諸事情により彼になり変わることになった凄腕忍者・影(シャドウ)は田中を演じることで平凡な日常生活を送ることを望んでいたが、度重なる理不尽についにその凶手の封印を解くことになる……。
全4巻。この設定なら欠かせない、変貌した夫に妻が改めて恋をするあたりは期待通りのスマートな流れでさすがです。あとは会社で居場所を確保していく話かと思いきや意外とそうでもなかった。ハードスケジュールの通勤中とかに読むとかなり面白かったりするようなマンガです。いい意味での馬鹿々々しさがあります。
ちなみに九州で活躍されている同名の方がいらっしゃいますが、この作品とは関係ないです。
斑丸ケイオス(大野ツトム)
人々に崇められ、あるいは恐れられる「ヌシ」と呼ばれる異形の怪物たち――そのヌシを狩らんとする殻州忍衆元百組頭領の女忍者・白夜と、その後ろを犬のように慕い歩く暗い眼をした少年・斑丸。抜け人としての彼らを追うもの、自分を捨てたものを追うもの、奪われたものを取り返そうとするもの、目的を果たすために獲物を追うもの――敵味方入り乱れての、果てしない追走劇の果てに待つものとは?
「ヤングアニマル」で2016~2017年連載、全3巻で完結。絵のセンスは高くストーリーも変で、ヌシのデザインなんかも結構好きだったんですが、なんとなく尖った魅力に欠け惜しい感じです。
試し読み 白泉社公式サイト
闇の土鬼(横山光輝)
口減らしのために土中に埋められたひとりの赤子がいた。土中で一晩泣き明かして親を驚かせ、父に鍬で殴られても生き延びる圧巻の生命力――そこに目をつけた抜け人・大谷主水に土鬼と名付けられた赤子は、やがて父を追う殺人集団血風党、あるいは宮本武蔵や柳生十兵衛といった、時代の傑物たちと渡り合う運命の中にいた。
僕は「マーズ」をはじめ横山先生の淡々としたダークさが割と好きで、この作品にもその傾向を感じます。完全版・文庫版ともにみっちりページが詰まって全3巻。名もなき忍びたちが「負け際」に少しだけ侠気を見せたりするのも、また味わい深いものです。
くノ一ツバキの胸の内(山本崇一朗)
女だらけのくノ一集団「あかね組」で、今日も今日とてトラブルを巻き起こすサザンカとアサガオの尻拭いをしながら腕を磨くエリート(見習い)くノ一のツバキ。才色兼備で優等生な彼女だが、最近気になっていることがある。山向こうの「あおい組」、即ち粗暴で野蛮で身体がでかくて脳が小さいという見も知らぬ「男」のことを考えると、なぜか頬が赤くなり、気もそぞろになり、手裏剣の腕も鈍るのだ。私はどこかおかしいのか――? 男がUMAみたいな扱いの、純情くノ一ガールズ・コメディ。
くノ一ツバキのキャラの一覧のようなもの
(お題箱) pic.twitter.com/Wv40xcAwe4— 山本崇一朗.高木さん⑩ツバキ② (@udon0531) 2019年3月14日
ラブコメ読みたい人向けではない(言うまでもなく、セクシーなくノ一ものを読みたい人向けでもない)ですが、「からかい上手の高木さん」同様ゆるいノリと軽妙な掛け合いがお好きな方なら普通におすすめ。
山本先生の作品は同じ状態を継続する安定感が特徴のひとつなので、たぶん男が出てくることはないんでしょうけど、バンバン新キャラ出してくるのでなんか思惑あんのかも?
試し読み ゲッサンWEB
ドロンでござるよ
てなわけで、忍者ものマンガでした。古くは江戸時代から脈々と続く人気ジャンル、かつこのジャンルで一発当てると海外でも人気が爆発する可能性があったりもしますので、今後も着々と面白い新作が生まれゆくことでしょう。
他にもこんなマンガが天井裏とか土の下とかに潜んでいます
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