メビウスの輪から抜け出せない。回帰する時間の中でもがくループものマンガ名作選

きょんくんでんわー!


一定の同じ時間、同じ場面を繰り返す、ループ系マンガのおすすめセレクトです。相性がいいのかゲームに名作が多いジャンルですが、マンガでも多くのループものが生み出されています。「ループものである」こと自体が重大なネタバレになることも多いので、このサイトの方針上早い段階でループものであることがわかる作品以外は除外しています。
一応SFタグに入れてますけど、SFじゃない作品のほうが多いよーな気もします。

※記事中で紹介しているアプリは掲載終了している可能性があるので、悪しからずご了承下さい。

サイケまたしても(福地翼)

これといって取り柄のない、やや内にこもりがちの少年・葛代斎下。彼は幼馴染の枳殻蜜柑に誘われて「モグラ池」へ出かけ、誤って落下したことで「モグラ池で溺死すると、同じ一日をやり直すことができる」という自らの能力を発見することになる。トラブルに対処するため同じ一日を何度も繰り返した彼は、自分の能力を生かしたある活動を始めることになるのだが……。

表紙が毎巻凄く良くて、「福地先生こんな絵描くんだ」とびっくりしました。
序盤でやってることはおもくそ「恋はデジャ・ヴ」ですが、その設定で2巻のバトル展開に入るとかなり異様なことになり、そのへんが個人的に大変面白かったです。

序盤の斎下くんには感情移入できたんですが、途中から鬼メンタル化してしまうと遠い人になってしまい、「もったいない」作品という印象があります。常人では同じ一日の繰り返しに耐えられないので、しょうがないのかもしんないんですが。

試し読み webサンデー

【オススメ】僕だけがいない街(三部けい)

漫画家を目指しながらも、なかなか売れないバイト青年・藤沼悟が時折遭遇する怪現象、「再上映(リバイバル)」――周囲で「何か」が起きた時、時間が巻き戻され、そこから抜け出すためにはかすかなヒントを見つけ出し、なんらかのアクションを起こして未来を変えなくてはならない。彼が母親とともに遭遇した「再上映」は、忌まわしい過去の事件と現在の彼を否応なしに結び付けることになるが――「マンガ大賞」と「このマンガがすごい!」3年連続ランクインの、タイムリープ・サスペンスの快作。

ややマイナー路線だった三部先生が、これ一作をもってメジャーに躍り出た感のある作品です。師匠にあたる荒木飛呂彦先生からの「三部を手伝ってくれてありがとう」みたいな帯も地味に話題になりました(帯は電子書籍版未収録)。絵的にはさほど影響を受けてないようですが、言われてみればモブや背景をさりげなく動かしつつ要素を隠す演出、主人公への容赦のなさなどは荒木先生の影響を感じます。

全8巻で9巻は番外編。この9巻を読んでなかったのでせっかくだから最初から読み直してみましたが、5巻6巻のドンドォン! と畳みかける展開がやはり衝撃的で、筋を知ってても大変楽しかったです。ちょっと能力ご都合な気はしますけどルール明言されてないし、それで犯人当てとして面白くなってるので全然OK。

試し読み ComicWalker

はっぴぃヱンド。(有田イマリ)

とある田舎町に引っ越した少女・相田茜。姉が教壇に立つ学校で友達もうまくでき、幸せな毎日を送っていた。ただし絶対のルール、「毎日学級日誌を書く」約束を守らなければ、時間は巻き戻される――最悪の形で。第一話のインパクトがなかなかに強烈、その後もサスペンス色の強いストーリーで読者を惹き付ける一見日常系、その実ループ系サスペンス作品です。

正直ひぐらしっぽいです。とはいえストーリーは大分違い、この後どう転がっていくのかは未知数。

序盤ののほほんとした空気が嘘のように誰も信じられなくなっていくこの物語がなぜ「はっぴぃ」なのか、どんなオチが待ち受けているのか先行き楽しみな作品です。

試し読み ガンガンONLINE

カラダ探し(原作:ウェルザード 漫画:村瀬克俊)

深夜0時になると学校に集められ、「赤い人」との鬼ごっこがスタートする。「赤い人」に全員殺されると”昨日”が繰り返される。ゲームから抜け出すためには、夜の校内に隠された身体のパーツを全て集めないといけない――殺されるために生き返らされる、悪夢系ループ漫画です。

元々携帯小説としてスタートし、人気を受けてコミカライズされました。マンガの世界に入り込めるとして、「どのマンガに参加したくないかランキング」とか取ると上位に来るんじゃないでしょうか。色々と荒っぽいホラーですがキャッチーな作品であることは間違いなく、「夜の学校で髪の長い少女に追い回される」というワードにピンとくるならぜひどうぞ。

「参加者」だけは記憶が持ち越されるので、以前得た情報を非参加者に提示して新たな情報を得たりしたりする捜査フェイズも楽しめます。

試し読み eBookJapan

【オススメ】盆の国(スケラッコ)

繰り返される一日、増え続ける「おしょらいさん」――お盆になると帰ってくる彼らを見る力を持つ少女・秋と、謎の青年・夏夫の「世界を元に戻すための冒険」を描く、うだるような暑い京都のループ系ジュヴナイル。

カルチャー誌フリースタイルの「THE BEST MANGA 2017 このマンガを読め!」1位。百鬼夜行と化していく真夏の街を少女がうろうろしたり、死んだ同級生とキャッチボールしたりする非現実的な世界と薄味の絵柄がマッチしていて、行ったことないけど夢によく出てくる街を懐かしく見るかのようでした。他の方のレビューにもありましたが、「古くて新しいマンガ」という印象。

試し読み トーチweb

勇者たち(浅野いにお)

長い冒険を終え、尊い犠牲を支払い、ついに魔王を打ち倒した勇者たち。あとは日常に帰るだけ――このエンドロールが延々と繰り返される作品、それが「勇者たち」です。心の闇に囚われ、毎回少しずつ仲間が減る(時々補充される)タイトルカットを繰り返しながら、彼らは森を抜けだすことができるのか。

繰り返し心のひだに潜む闇を描いてきた人気作家が、かわいい絵柄でさらに真っ黒いやつをブチ上げてきた作品です。元々ヒバナの小冊子に掲載されていたものを、マンガワンで改めて短期集中連載。浅野いにおがループ系ファンタジーを描くといかに邪悪なものができあがるのか、「なんかおしゃれな人でしょー」と食わず嫌いの人もいい機会なので読んでみると結構びっくりすると思います。

時間軸自体は進んでいるようで、こういうタイプのループ系マンガはほとんど見た覚えがないです。浅野先生はなにげに毎回何かしら実験的なことをされますね……。今回はその他なぜか水木しげるタッチが一部採用され、不気味で滑稽な世界にそこはかとないサブカル感を味付けし、余計不気味にしています。

試し読み 裏サンデー

きょんくんでんわー!

一定の同じ時間、同じ場面を繰り返す、ループ系マンガのおすすめセレクトでした。相性がいいのかゲームに名作が多いジャンルですが、マンガでも多くのループものが生み出されています。「ループものである」こと自体が重大なネタバレになることも多いので、このサイトの方針上早い段階でループものであることがわかる作品以外は除外しています。
一応SFタグに入れてますけど、SFじゃない作品のほうが多いよーな気もします。

※記事中で紹介しているアプリは掲載終了している可能性があるので、悪しからずご了承下さい。

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