定跡そこのけ新手が通る
アナログゲームカテゴリは別にあるんですが、その中でも盤と駒を使ったボードゲームを扱うカテゴリがこちらとなります。主に囲碁将棋。オセロなんかもこっちでいいかなと思いますが、ボードを使ったTRPG、「放課後さいころ倶楽部」的な作品はアナログゲーで扱います。
3月のライオン(羽海野チカ)
歴代5人目の中学生プロとしてデビューし、棋界で将来を嘱望される桐山零。彼は両親を早くに亡くし、引き取られた家でも居場所を失い、六月町で一人暮らしを始めたばかりの孤独なひとりの少年でもあった。
ひょんなことから橋を渡った三月町に住む三姉妹と出会い、彼女たちの元で心の欠落を埋めながら、学校で、あるいは将棋会館で、零は自分の居場所を見出していく。
将棋関係ない話のほうが印象が強く、5~7巻の熱湯と冷水を交互に浴びるような強烈さが一番記憶に残っています。
「ヤングアニマル」で2007年~連載。スピンオフとして会長を主人公にした「3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代」(西川秀明、全10巻)が存在します(キャラも共通せず、ほぼ別物)。
監修は棋士の先崎学先生。矢崎仁司監督に「三月のライオン」という映画がありますが、本作と直接的な関連はありません。
試し読み 白泉社特設サイト
龍と苺(柳本光晴)
十四歳の、命を懸けられる何かを求める少女の内側には、爆発的な才能がひとつ眠っていた。年単位の研鑽を一瞬で詰める、得体の知れない将棋の才能――女性が向いてないと囁かれる将棋界において、ましてや子供の彼女はオッサンたちから揶揄を受け、はなから真面目に相手にされず、当然の礼儀すら無視される。勝って当然と舐めてかかる男のプライドを丹念にヘシ折りながら、藍田苺は一局ごとにさらに強くなる。
ま、僕は好きです。疲れ切って気分転換したい日に夢中で読むのに最適な作品で、僕の中でこういう作品は高い需要があります。
暴言と才能で無双する痛快な主人公と裏腹に、「才能を持たない」側の挫折や嫉妬、妥協や決意を描くことで世界を浮き彫りにするドラマ性も前作同様。記載されてませんが、監修はさすがにいるようです。
「週刊少年サンデー」で2020年~連載。
類似作 響 〜小説家になる方法〜、永世乙女の戦い方(くずしろ)
試し読み サンデーうぇぶり
それでも歩は寄せてくる(山本崇一朗)
たったふたりの将棋部で、差し向かい駒を争う田中歩と八乙女うるし。「一局勝つまで告白しない」と決意している歩だったが、つい口をつく本心にうるしは始終ドギマギしっぱなし……ラブコメ界の鬼殺しが放つ盤外戦ラブコメ。
ただ将棋マンガっぽさはあんまないです。元は山本先生の「将棋のやつ」というtwitterマンガで、好評を受けて「週刊少年マガジン」で2019年~連載。
試し読み 講談社コミックプラス
碁娘伝(諸星大二郎)
妖怪に耳を切り落とされると噂の朽ちた館に、今日も噂を聞きつけたひとりの男が訪れる。そこで待ち受けるのは謎めいた美女――剣と碁で武辺者を翻弄する美女の活躍を描いた古代中国活劇。
一冊ものとして味のある佳品ですが、知名度低め。マニアックな作品ではあります。
全4話の連作短編集で、「月刊コミコミ」「漫画アクション」「月刊コミックトムプラス」で1985~2001年飛び飛びに掲載、2016年発売のスペシャルセレクションでは描き下ろしを追加。全1巻で完結。
類似作 西遊妖猿伝(諸星大二郎)
他にもこんなマンガが盤上にダイブしています
※クリックすると該当の記事へ飛びます
- ヒューマニタス(山本亜季)(チェス)
- ヒストリエ(岩明均)