これは作者ではない!架空の人物だ!でおなじみ、「漫画家が主人公」のマンガ

※この(記事で紹介している)漫画はフィクションです。

漫画家ものには「実際の出来事を描いた」ものと、フィクションの漫画家を描いたものがありますが、ここでは後者の作品を集めています。実話がだいぶ混じってたりもしますけど。
→ノンフィクション漫画家ルポとかはこちら

かくしごと(久米田康治)

かくしごと=描く仕事が隠し事、というダブルミーニングのタイトルが素敵なこのマンガですが、なぜかというと「娘に知られると恥ずかしい」「娘が周りの子からいじめられる」ようなマンガを描いているからであり、アレの作者ならではの説得力があります。

かくしごと

第1号”かくしごと”(1巻収録)より

基本は漫画家あるあるマンガ×勘違いコメディですが、単行本ではこの娘の「8年後」を描くカラーページが差し挟まれ、ミステリアスな雰囲気を漂わせます。カラーページと本編がリンクしたり、次第に謎が明かされることで大きな物語も立ち上がってきますし、単純に引きが強い。


どうなることやらと思いましたが、久米田先生の中だと(終盤的な意味で)かなり万人向けの作品。ただちょっと勘違いネタが毎回無理矢理過ぎるきらいはある。
「月刊少年マガジン」で2016~2020年連載、全12巻で完結。2020年テレビアニメ化、2021年劇場アニメ公開。アニメ未見の方は、最後まで読む前に一度上の動画見ておくことを推奨。

試し読み 講談社コミックプラス

【オススメ】吼えろペン(島本和彦)

とりあえずコレは外せない、漫画家マンガの金字塔。前身として「燃えよペン」、「新吼えろペン」という続編もあり、時間軸的には燃え→吼えのようです。
熱血漫画家炎尾燃が日々ペンから炎を巻き上げながらマンガを描き進め、言わないでいいことを絶叫し、たまにコネを利用して声優さんに会いにいったりするマンガです。

大ゴマでの絶叫、横溢する集中線と圧倒的な暑苦しさを誇り、漫画家の生活を描いているはずなのに物凄く派手なのが特徴。

燃えよペン

「燃えよペン」第7話”起承転結劇場編”より


ギャグもキレてて笑えるんですが、読んでいて一種の「痛み」や「苦さ」のようなものを感じることがあります。その中で島本炎尾先生特有の雄たけびがよりズドンときたりもして、初読時には新境地を見たような思いがしたものです。作品論も多く、炎尾先生はたまにすごくいいこと言いますよ。
「燃えよペン」(全1巻)が「シンバット」および「YOUNG CLUB」で1990~1991年連載。「吼えろペン」(全13巻)および「新吼えろペン」(全11巻)が「月刊サンデージェネックス」で2000~2008年連載、完結。諸事情によりコミックス未収録の最終回が存在(Wikipedia参照)し、これは「SUNDAY GX 10YEAR’S CHRONICLE 吼えろペン」で読めるようです。

類似作 アオイホノオ(島本和彦)

試し読み eBookJapan(吼えろペン)

バクマン。(原作・大場つぐみ、作画・小畑健)

主人公は絵担当とストーリー担当のコンビ。少年ジャンプ(実名)を舞台としたサクセスストーリーです。マンガ編集裏話みたいな側面もあり。

作中作として色々なアイデアを贅沢に出していて、主人公が描く「邪道のマンガ」が普通に面白そうだったりします。むしろそっちを連載で読みたいと思った人もちらほらいるとかいないとか。

単純に秘密基地のような場所で友人とマンガを作り上げていくというイメージ自体が魅力的です。夢があるというか、見ていて楽しい。これを読んで漫画家を志した人も結構いるのでは。

試し読み eBookJapan

stand by me 描クえもん(佐藤秀峰)

漫画家を目指す青年・満賀描男の家に、「未来から来た自分」を名乗るおっさんが転がり込んできた。助言とも愚痴ともつかないおっさんの言葉に惑わされつつチャンスを掴み始める満賀だったが、その後の顛末を知るらしいおっさんはある「忠告」を残して消えてしまう――
どこかで見たような漫画を描く漫画家の苦闘を描く、一応フィクションの漫画界暗黒物語。

stand by me 描クえもん

「人気作のアレは実はこうだった」という感じの自伝風攻撃漫画で、非常に強い嫌悪感を感じさせる膿出しのような作品です。内容はそういうわけで毒まみれ。絵は非常に洗練されていて、全くブランクを感じさせません。

これはどこまで描くのかな、とは思います。佐藤先生にはとりあえずこれで攻撃したい人を全員攻撃してもらって、一種の禊を済ませてほしいな、とも個人的に思っています。

試し読み トーチweb

【オススメ】月刊少女野崎くん(椿いづみ)

好きな人に告白したら、サイン色紙を渡された。家についていったら、原稿にベタを塗らされた――190cmの巨体を誇る現役高校生にして少女漫画家の野崎くん(PN.夢野咲子)と、日々リボンが巨大化していくヒロイン佐倉千代を中心に、キャラの濃過ぎる面々が織りなすラブコメ(?)4コマ漫画。
比率的にはラブ0.5コメディ9.5ぐらい。

月刊少女野崎くん

第24号(3巻収録)より

千代ちゃんが実に小動物で、個人的にすごく好きです。学校周りの話も面白いんですが、作中作「恋しよっ♡」では少女漫画の絵柄でボケ倒し、編集者との絡みや漫画製作ネタを頻繁に使うなど、漫画家ものとしての機能をフルに生かしたギャグがアイデア豊富でなんか凄いです。


背景描けない野崎くん関連のネタはかなり笑いました。地味に漫画家志望の人が読むと勉強になるかもしれません。
「ガンガンONLINE」で2011年~連載、2014年にテレビアニメ化。

試し読み ガンガンONLINE

ぼくらのゆくえは(渡辺カナ)

朝海雪夫、29歳、コンビニアルバイター。本業は漫画家……構想云年の脳内大作を連載するも無情にも打ち切られ、漫画への情熱を失いかけている彼の隣に、劇団員の女の子が引っ越してくる。彼女に触発されてなんとなくアシスタントの依頼を受ける彼だったが――(”ぼくらのゆくえは”)
表題作と編集者視点の続編の他、「親友のミカミくん。」「君の空にふる夏のあめ」を収録。

これは面白かったです。なんというかこう、短いページ数の中でグッと盛り上げてくる演出がうまい。あと、コメディとしてもなかなか味のあるギャグを仕込んできます。恋愛要素は薄めで、暖かみのある作風です。

漫画家ものとしてはただの題材以上のものではないですが、アシ先の描写は妙に生々しく、実話かな? と思わせるものがあります。ここで紹介しといてなんですが、フェイバリットは高校が舞台のミカミくん。

逃げても逃げても(ねむようこ)

漫画家のサキさんと、恋人のみいくん、そして猫のキャベツが同居する小さな家。忙しいなりに充実した生活を送る彼女たちだったが、時にはささいなことでイライラするし、ネームには詰まるし、猫は原稿用紙を噛み散らかす。恋も仕事も放り出して、どこかへ逃げてしまいたくなる時もある――

逃げても逃げても

その1より

「ネームに詰まってる時が一番楽しそう」というサキさんの姿がリアルなほのぼの漫画家もの。日常のちょっと面白い瞬間をスナップしていて、他の人のマンガのネタにされたり、思わぬ人が自分の作品読んでくれてたりと漫画家あるあるネタもふんだん。後書きによると「自伝ではない」とのこと。

友人に失言して色々思い悩んだり、自分の漫画を読んでる人なんか本当にいるのかと自虐的になったり、彼氏に文句を言ってわが身を振り返ったりとサキさんの心理・行動はめちゃめちゃ身近で庶民的。ある種これほど感情移入しやすい漫画家ものも珍しいかも? 全1巻で完結。

漫画家残酷物語(永島慎二)

時は60年代。黎明期とも呼ぶべきマンガの幼年期に、当時の漫画家たちはいかにして日を送り、どんな絶望にうちのめされていたのか? ――

私小説的マンガの皮切りとして未だ語り継がれる連作短編の名作ですが、正直今の目からするとどうあがいても古く、これも紹介したものか迷いました。まあ例によって「まあいいか」でこれ書いてるわけですが。

漫画家残酷物語

全く漫画家事情の関係ない話もいくつかあり、資料的価値もあまり高くないです。基本思い出補正かけるか「へー、昔はこういう感じだったのね」というような楽しみ方をする本なんですが、いくつか今読んでも割と面白い作品があったりするので侮ってかかると損します。漫画史を語りたいのであれば、一度押さえておきたい作品です。

試し読み ebookjapan

漫画家超残酷物語(唐沢なをき)

で、上を踏まえて唐沢先生が描いたのがこちらです。「漫画家残酷物語」の名篇「うすのろ」をパロディした作品を冒頭に置き、後はオリジナルのやはりオムニバス。下ネタギャグと見せかけてさりげなく心を抉り涙を誘い、残酷性をテーマにした漫画家ものとしてはこっちのほうが題名に沿ってはいます。
漫画家超残酷物語

笑いの霧に包まれていますが「こういうこと実際あるんだろうなあ……」と溜息をつかされる展開もちらほらあったりなかったり。大御所にまつわる話とかもありますけどどこまで実話でどこまでフィクションなのやら……。

隠しきれない悪意が濃密に漂う「お客様は神様です」が、僕は一番面白かったです。

終わった漫画家(福満しげゆき)

絵はプロの技術を持つが情熱と才能の枯渇した主人公が、「女性アシスタントと紳士的に親交を深めて最終的に結婚したい」という発作的な衝動にかられて巨乳のアシさん(技術ゼロ)を雇い入れるもあれやこれやで女子校生のアシスタント(割と描ける)も雇うことになり、三者三様の意図から「ある漫画の原稿」を作製することになる……というのが1巻のあらすじ。

二児の父にして童貞マインドを持て余す福満先生の新作です。巨乳でかわいい女の子になんか好かれる、というラブコメ路線を基調にしていますが、どうもサスペンスになっていきそうな雰囲気です。

漫画家としては先が知れているが他の仕事ができるとは思えない主人公の微妙な悲惨さは女の子がゾロゾロ出てくることで曖昧になってますが、そこらへん……こう……グッと掘り下げてくれると嬉しかったりしますが……たぶんないですね。ウシジマくん的な嗜虐的なものを期待するとたぶんガッカリしますが、若干狂ったラブコメとしては味のある仕上がり。漫画家としてデビューすることをすごく端的に説明する場面もあり、そらそうよねと思わされます。

狭い世界のアイデンティティー(押切蓮介)

魑魅魍魎巣食う出版社「件社」の年末謝恩パーティーに、復讐を誓うひとりの女の姿があった。彼女の名は神藤マホ――持ち込みに行った末に件社ビルから突き落とされ、帰らぬ人となった兄の仇をとるために佳作をとり、マンガ業界に足を踏み入れた女。概ね腕力と口撃で邪魔者たちをねじ伏せる彼女(およびマンガ関係者)の格闘漫画の体を取りつつ、さりげなく(?)漫画家たちの自意識や悲哀を投影し、「今」を切り取る漫画家暗黒バトルマンガ。

狭い世界のアイデンティティー

第11話(2巻収録)より

まさに虚々実々という感じで、途中からマホが一時撤退すると新人漫画家が浅野いにおを潰そうと戦いを挑んだり、押切蓮介と清野とおるが河原でのんびり会話しながら殺気を飛ばし合ったりするマンガです。絶妙なタイミングでブッコまれた海賊版漫画サイト「漫画沼」の話も話題を呼びました。


細かくボケを挟みつつマンガ業界を風刺するあたりはさすが「中堅」漫画家の仕事ですが、何の脈絡もなく暴走するB級感も健在、というか悪化しています。打ち切り漫画家を再起不能にする地下アイドル「利き腕折り」とか意味不明過ぎて笑った。正直バトル描写にはあまり必然性を感じないんですが、この滅茶苦茶さを担保するために必要なのかも、とも思います。
「月刊モーニングtwo」で2016~2020年連載、全5巻で完結

試し読み モーニング公式サイト

でぃす×こみ(ゆうきまさみ)

第51回奨楽社新人コミック大賞で、問題作「でぃす×こみ」により見事大賞を射止めた女子高生の渡瀬かおる。しかし本人は心中穏やかではない――こんなBLマンガを描いた覚えはない! 兄が勝手に自分の名前で応募した作品のために、嫌々ながらもBL作家として着実にキャリアを積むことになってしまった女子校生漫画家の苦労とマンガ創作過程を綴る、BLクリエーター・コメディ。

でぃす×こみ

第1話”兄×妹”(1巻収録)より

もうすっかり大御所のゆうき先生がここにきてなかなかの変化球。ぜんぜん経験ないくせになぜか兄のほうがマンガの文法をわかっているため、すぐ少年マンガ的展開に走ろうとする妹の作品を軌道修正したりダメ出ししたりすることによりネーム作りに関するエピソードが多く、なるほどそーゆーこと考えて話作ってんだな……と参考になります。

毎回最初に渡瀬先生によるBLマンガの最初数ページがカラーで掲載されますが、こちらは原画のみゆうき先生で塗りは別の先生が担当するということで、巻末のネタばらしを見ると思わぬ大御所が塗ってたりします。どれかひとつでも誰が塗ってるか当てられたらすごい。
あくまで題材として使ってるだけで本編はBLマンガではないので一応注意。後藤さん(ぽい人)が出てくるBLはぜひ全編読みたかったものですが、まあそのへんは想像でカバーする方向で。全3巻。

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明日にはあがります。(水口尚樹)

週刊少年ゲルマンで「ときめき堕天使モモカ」を連載する小光栗夫。週1で編集者が変わるという謎制度に苦しめられ、ようやく落ち着いたと思ったら、今度は小光自身の奇行・妄想が日々アシさんを苦しめる。
奇天烈な新人漫画家の妙にリアルな失敗談で、読者の共感性羞恥を強制発動する連載ショートギャグ。

明日にはあがります。

第10話”つぶやきます”’(2巻収録)より

小光先生の情けなさと情緒不安定ぶりが笑いを誘いますが、ツッコミ役としてもかなりのボキャブラリー。編集者絡みの話では「なんもなかったらこうは描かないよな……」というようなのもあり、そこはかとなく漫画家の悲哀も感じさせます。


「ビッグコミックスピリッツ」で2012~2014年連載(全5巻)、続編「小光先生の次回作にご期待ください。」が2014~2015年(全2巻)連載して完結。「早乙女選手、ひたかくす」のギャグ部分が好きな方だとお気に召すと思います。

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稲川さんの恋と怪談(ヨゲンメ)

人生初の持ち込みに行くも酷評を受け、心ヘシ折られた内未一(16)。そんな彼のもとに、同い年にして既に人気作家である稲川マツのアシスタントの誘いが怪談専門誌「化談」編集部から届く。身の毛もよだつ恐ろしいストーリーを構築する女子校生作家の許で与えられた仕事とは、いわくつきの現場を訪れ、彼女にインスピレーションを与えるために怪奇現象を実体験することだった――

稲川さんの恋と怪談

第1話”ホラーマンガ家稲川さん”(1巻収録)より

ラストに稲川さんが今回の顛末をどう味付けしてホラー漫画にするかというアイデアが語られるんですが、これがなかなか面白そうな感じなのでぜひそっちも読んでみたいところではあります。この大ゴマで語られる容赦ない「稲川さんの今日のひとこと」みたいなのが、この作品の少しぼんやりした味付けを締めるスパイスのような役割を果たしています。


幽霊描写がダイレクト過ぎてあんまり怖くないので、普通にホラー読みたい人向けではないです。あえてカテゴライズすればジャンルミックス系のライトホラーぐらいの感じ。あとタイトルに反し、恋愛要素はほぼ皆無です。
「電撃マオウ」で2017~2018年連載、全2巻で完結。

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ダメな彼女は甘えたい(よしだもろへ)

お人よしで家事上手、頼まれごとを断れない高校生の上埜一等。周りからいいように使われ、バイトで生活費を稼ぎだし、それでもいつかはいいことがあると思っていたら、実の母が男に目がくらんで家具を持ち出して今日の飯にも事欠く始末。たまたま遭遇した少女に「即金」の仕事として紹介されたのは、人気漫画家「野薔薇ひふみ」のメシスタントだった。
超美人でナイスバディのひふみは段々彼のことが気になっていくのに、上埜くんはだらしない生活習慣と分厚い眼鏡のせいで、彼女が美女だということにすら気付いていない……始まりそうで始まらない、ちょっとシュールな年上漫画家×男子高校生ラブコメ。

つまり男性から見ると「ひとりぐらしの俺の隣の部屋にグラマーな隙の多い年上美人が住んでいてしかも自分に甘えてくる話」、女性から見ると「家事能力ゼロでゲーオタかつコミュ症の私を高校生の男の子がかまってくれてご飯も出てくる話」として読めるわけで、この需要と供給が絶妙に噛み合って成立してる感じはすごいと思います。

そんな題材を全然活かさず、まるでラブコメしないまま話が進行するんですが打ち切りが決定、9話→10話~11話の落差にはギョッとしました。そのまま全2巻で完結。色々あったらしくamazonレビューは編集に対する怨嗟の声で満ち満ちていますが、ある意味強烈な読後感を残す作品となったのは不幸中の幸いと言うべきか。あと最近のマガジン系のラブコメが高確率で支離滅裂なのはこういう感じだからなのか、とちょっと納得がいきました。

試し読み 講談社コミックプラス

人気マンガ家になるための15の法則(津々巳あや)

相沢幸枝(PN:愛澤ここな)、24歳。たいていの女性の心をつかむ美貌とスタイルの良さを誇り、スポーツも得意で手先も器用。さらに高校在学中にデビューと華々しく少女漫画家人生を歩み始めた彼女だったが、まさかのそこから6年読み切りのみ掲載、単行本も未経験。さらに担当も新人(毒舌)に変わりいよいよ見切りをつけられたかと思いきや、この新人担当・喜多村莉奈が実は漫研の後輩で彼女の大ファン(ただし隠している)。相沢を売れっ子にするという野望を秘めた担当から、相沢は人気作家となるための法則を学ぶことができるのか?

人気マンガ家になるための15の法則

第10話(1巻収録)より


結論から言うとできません。一見漫画指南マンガっぽいんですが実際は4コマギャグで、「法則」も登場せずほとんど表紙詐欺。このへんに関しては1巻当時の編集さんの意向だったとのことです。
2017~2018年に連載中の雑誌(まんがタイムジャンボ)が休刊、ComicWalkerで2018~2019年連載し、全2巻として一旦完結しました。2巻は一部4コマでなくなります。

相沢、喜多村をはじめ立ちまくったキャラの掛け合いは純粋に面白く、温泉だの遊園地だの普通に遊んでる回も色々、軽く百合的要素もあってツボを押さえ、ガールズ(龍太含む)コメディとして面白かったです。
漫画家ものとしてはそのガールズコメディ設定に浸食されたという印象で、割と甘口。SNSデビューや作家のメンタル面の話が人によっては参考になるかもしれません。

試し読み ComicWalker

じょしまん。(吉田丸悠)

友人たちに隠れて少女漫画の道を志す女子高生・田中は偶然同級生の寺尾に描いているマンガを目撃され、それをネタに部屋へと連れ込まれる。寺尾は女子高生にしてプロのエロ漫画家であり、田中は彼女の手伝いをさせられつつ、漫画の手ほどきを頼むことになるのだが――エロ漫画業界を舞台にした異色の漫画家マンガ。

じょしまん。

第4話”女子高生、エロ漫画を練る”(1巻収録)より

後書きによるとこの作品は百合企画らしいんですが、エロ漫画を描くパッションとか、高校生がエロ漫画を描くリスクとかにも光が当たっててごった煮感あります。前作(「大上さん、だだ漏れです。」)といいコレといい、女子高生に淫語言わせたがる吉田丸先生が言うと説得力があるようなないような……。編集サイドの話も面白い。


若者たちが切磋琢磨しながらそれぞれ自分のマンガを模索する話、という意味では「バクマン」や「まんが道」と同系列の話。「webアクション」で2020年~連載。

試し読み pixivコミック

(以上の作品は)実在の事件、団体、事件等とは一切関係ありません。

まあ、これも言ったもん勝ちですね。色んなことを空気で処理する日本的文化が花開いてる感はありますが、今後仮に欧米化が進んでもこのへんの文化は鷹揚なままであって欲しいな、と個人的には思います。程度にもよりますが。

他にもこんなマンガがマンガを描くマンガを描いています

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