マンガもいいけど、活字もね!
他の本を紹介、解説、揶揄、批評、ネタにするマンガなどをセレクトしています。活字の世界ではよく読書録なんかがエッセイのネタになってますが、マンガでは割と少ない印象です。本なら小説でもマンガでも写真集でもOK。写真集紹介するマンガってあるんですかね。これ書いてる時点で知らないですがそのうち出てきそうな気がします。
出てくる本は大体実在しますが、架空の書籍でもOKです。
バーナード譲曰く。(施川ユウキ)
施川先生は昔から目のつけどころが変というか、漫画家というよりも「世の中の隅っこをほじくり返す人」というようなイメージがありますが、ここでは難しそうな本をいかに読まずに読んだ風に語るかとか、こういう本を読んだ自分をこういう風に語るわたしとか、なぜSFの表紙はやたら黒いのかとか、そういう「読書あるある」ネタみたいなのを図書館で延々ぐだぐだ喋り倒す、という、「よく続くなこれ」としか言いようのないネタを延々と展開してくださっています。しかもちゃんと面白いからすごい。
ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』を読む神林しおりです。 pic.twitter.com/rEZUpQ9V08
— 施川ユウキ(ハジメ) (@ramuniikun) 2018年10月28日
一応なんとなく恋愛要素とか、百合要素みたいなのもあったりします。
類似作 クズとメガネと文学少女(偽)
試し読み コミックシーモア
クズとメガネと文学少女(偽)(谷川ニコ)
黒タイツに黒手袋、そして常に本に目を落とす――頭よさげな文学少女ファッションに余念のない織川衣栞に、登校中のストーカー系高校生・古賀豊文は一目で恋をした。しかしふたりの間に割って入った(?)のは、リアルに本に詳しいメガネ男子守谷。恋の進展はさておいて、彼の薦めてくる本が意外と――面白い?
出てくる本も読書初心者の高校生に刺さりそうないいチョイス(ミステリが多い)。
「ツイ4」で2017~2018年連載、全2巻で完結。単行本には紹介作品についてのコラム、描き下ろし短編も収録。
類似作 バーナード譲曰く。
試し読み ツイ4
鞄図書館(芳崎せいむ)
「ミステリーズ!」で連載されている異色の図書館ファンタジー。あらゆる書物を収めるしゃべる「鞄」を手に、あらゆる世界・あらゆる時代で本を貸し出す司書の出会う、様々な本にまつわる物語。
「これは読んでみたい」と思わされる本が一冊はあると思うので、小説にも手を出してみたいとか、面白い本が知りたいという方にもおすすめ。
百合男子(倉田嘘)
男の子だって百合を読みたい! でも、ちょっとどこから手をつけていいのかわからないし、本屋さんでレジに持ってったら不審者扱いされないかな……?(>_<) そういう悩めるちょっとキモい男の子たちに福音のように現れてしまった本がこちら、百合の形式美を鼻息荒く語り合う男たちの生態を描くという、なかなかにレアなマンガです。
「読みたければ読めばいい」という勇気をいただける作品です。全5巻で完結。
おもたせしました。(うめ)
資料の貸し借り、陣中見舞い――さまざまな人のところに足繁く通う轟寅子の生きがいは、厳選された「手土産」をお届けすること、そしてたまに……いや毎回……「おもたせですが」とご相伴にあずかり、ついでに一杯いただいちゃったりすること。実際に買えるさまざまな手土産を肴に、豊富な文学知識で蘊蓄を語る訪問グルメドラマ。
ブックガイドとしてはちゃんと一冊紹介するでなく、軽く触れるだけという感じです。手土産本としては実用的、実際にお店で買って選んでるみたいなので、なんかいいお土産ないかなーという方もどうぞ。全3巻で完結。
試し読み コミックバンチWEB
本田鹿の子の本棚(佐藤将)
昔はあんなにかわいく、わたしに懐いていた娘・鹿の子。しかし今はすっかり心の距離ができてしまっていた……速読術を修める父・鳩作は彼女のことを知るために、娘が不在の隙に部屋へ侵入し、本棚の本を読み漁る日々を送ることになる。そこで遭遇するのは、摩訶不思議で全体的にダウナーな「変な小説」の絶え間ない奔流だった――
あと意外に社会風刺的な作品もあったりで、たまに見せるガチな毒がかなり強烈(編集長に心配されたらしいです)。オチが全体的に雑なのも今風な感じです。
試し読み リイドカフェ