な……なにィ!
古いことわざに葡萄酒とサッカーボールは古いほうがいいとか、女は親友、妻を経てやっとただのサッカーボールになるとか言いまして、なんだかんだで世界で一番人気があるスポーツとも言われるサッカーおすすめマンガのまとめとなります。サッカーは由来的にはフットボールの一部らしく(wiki)、ラグビーもフットボールの一種のようですが、ここでは基本的に手を使わない種類のフットボールだけを扱います。
このカテゴリと野球カテゴリ作った結果スポーツ漫画カテゴリがかなり寂しくなったんですが、逆に言うとこの二種類の作品数が相当多い。近年はMANGAもグローバリゼーションが進んでますんで、他の国のスポ根サッカーマンガとか出てきたらぜひ読んでみたいところです。
アオアシ(企画・原案:上野直彦 漫画:小林有吾)
愛媛の中学でFWを務める青井葦人の試合を見たユースチームの監督・福田達也は、彼の「ある才能」に注目し、彼に東京でセレクションを受けるよう勧める。迷いながらもプロ選手への道を決意する葦人だったが、それは驚くほどに苦難と発見に満ちたものだった――
序盤からガンガン練習とか試合とかしてますが、その中で明かされていくサッカーのテクニックは多くの読者同様葦人にとっても未知で、戦略が次第に深まっていく成長を見る楽しみも濃厚。セオリーを知ることで葦人の才能が進化し、徐々に覚醒していきます。
試合が盛り上がるスポーツ漫画が読みたい、あるいは育成段階のサッカー選手のことが知りたい方であれば、大変おすすめの一品です。
試し読み ビッグコミックBROS.
BE BLUES!〜青になれ〜(田中モトユキ)
一条龍は小学生にして、誰が見てもその才能がハッキリとわかる本物だった。繊細なボールタッチ、視野の広さと判断の速さ、そして相手の裏をかく豊富なアイデア。だが将来を嘱望されるものには、時にその才能に見合うだけの苦難が襲いかかる。理不尽に立ち向かいながら逞しく成長するサッカー少年を描くスポーツドラマ。
今週のサンデー!
BE BLUES!巻頭カラーです!
この見開き、実は田中モトユキ先生にキャラ絵を描いて頂き、
空はデザイナーさんに配置してもらいました。マッチング最高。モトユキ先生、デザイナーさんの頑張りで最高の試合展開を予感させる、素晴らしい仕上がりになりました。続く。#BEBLUES pic.twitter.com/al8zsPeoaK— サンデー 町田 (@naotamachida) 2018年6月20日
ストーリーにあまり新しさは感じませんが、グイグイ動くカメラワークで加速する試合描写や丁寧な作画で惹きつけます。絵もどんどん上手くなっていくんですが、それにつれて龍が垂れ目でなくなってしまったのはちょっと残念。
苦労を重ねて龍は仙人と化してしまったので、桜庭を楽しみに読んでる部分があります。「能力高いけど性格悪い味方キャラ」は扱いしだいで印象変わりますが、かなり成功してるキャラだと思います。
試し読み Webサンデー
夕空のクライフイズム(手原和憲)
監督は変わってしまった。勝ちだけを求めるチームの中でドリブルプレイにこだわり干される今中一輝は、突然の監督の交代によりスーパーサブとして「チームを変える」役割を負わされることになる。しかしなんで、俺……? そして「サッカー史上最狂の男」ヨハン・クライフにかぶれる新監督の雨宮と、その娘雨がチームの目標として掲げる「美しい負け試合」とは? オタク知識満載でお届けする、笑えて燃えてラブコメも楽しめるサッカーマンガの良作。
シリアスに始まるんですが、すぐにコクのある部員たちの会話とサッカー豆知識の豊富さ(特定の試合の監督が付けてたメガネ、とかそういうくすぐりがしょっちゅう出てくる)で謎の中毒性を発揮し始めます。女子中学生にしてクール美少女の雨ちゃん(↑)も魅力的、どっしりという擬音のもっとも似合うメインヒロインと言っていいでしょう。ノリのいい部員たちによる「余裕のある熱さ」をお求めの方向け。
潔癖男子! 青山くん(坂本拓)
天才的なサッカーセンスを持つが極度の潔癖症の青山くんが弱小校に入り、無表情でドッカンドッカンゴールを決め、チームメイトたちのハイタッチやハグ、ユニフォーム交換をあざやかに回避する話です。
基本的にはゆるいんですがたまにかっこよく、作中で出てきた謎もその場で解決せずに次の話へ進んだりで、なんだかんだでどんどん先へ読み進まされました。このキャラでサッカーやる上で色々不整合な部分が出てくるんですが、そのへんの辻褄合わせがうまい気がします。
2014年「ミラクルジャンプ」、2015~2018年「週刊ヤングジャンプ」で連載、全13巻で完結。2017年にアニメ化もされました。
試し読み となりのヤングジャンプ
ピッチディーラー ―蹴球賭場師―(原作:昌子春 漫画:外本健生)
「天才」ゴールキーパーの新堂龍司が参加し、いよいよその布陣を確固たるものとした常勝サッカーチーム・VERSUS。だがそのデビュー戦は不運の連続で振るわないものだった――ように見えた。だがそれが全て圧倒的な実力による、計算されたゲームメイクだとしたら……?
謎の組織による八百長指令を忠実に遂行する、それぞれの目的を持った天才たちの「裏」サッカー漫画。
ワンナウツとかグラゼニとかとはまた違うアプローチでのお金系スポーツマンガで、なかなか設定がありそうでなくていいです。知略ありのスポーツものとしてクオリティ高いですが、残念ながら凄まじい打ち切り臭を放ちつつ3巻で終了。
試し読み WEBヤンマガ
フットボールネーション(大武ユキ)
のっけからなんですが、サッカーマンガとしてははっきり言って全然盛り上がりません。試合は淡泊で絵は静止画です。
このマンガの目指すところは日本サッカーへの駄目出しと、フィジカルを中心としたサッカー理論の啓蒙であり、実践の結果として「日本人らしくない」主人公たちと「いかにも日本人」な相手チームではゲームは危なげなく進むため、全然盛り上がらない結果になるわけです。
この理論部分がどの程度正しいかは知りませんが、とりあえず説得力はあります。
かなり評価の分かれる作品です。個人的には割と好きというか、普通に学習マンガとして楽しめます。「ビッグコミックスペリオール」で2010年~連載。
試し読み LINEマンガ
ブルーロック(原作:金城宗幸 漫画:ノ村優介)
18歳以下のストライカー300名を収監する、巨大サッカー合宿施設「ブルーロック」。他の299人を蹴落とし、世界一のストライカーを作る壮大な実験に参加した潔世一は、残存を賭けたさまざまなテストの中で、エゴイストとしての自覚と、自分でもまだ気付かない自分だけの武器に覚醒していく。デスゲーム要素をサッカーに持ち込んだ閉鎖空間サッカーサバイバル。
ただツッコミどころや問題発言が多く、普通にサッカー好きな人はちょいちょい「ん?」となるマンガだと思います。ストライカーとして呼ばれてキーパーやらされる人がいるというのもどうなのか。さらに言えば台詞回しが致命的にダサい。「グラシュロス」も言語センスひどかったですが、これはもう金城先生の持ち味だと思うしかないのか。
「週刊少年マガジン」で2018年~連載。
試し読み コミックシーモア