読んでから観るか、観てから読むか。名作系からネタ祭りまで、映画紹介系おすすめマンガ

漫画から漫画を学ぶな

映画好きのキャラクターがいろんな映画を紹介しつつ、ドラマも展開するタイプの作品カテゴリです。その気になればこのジャンル描ける漫画家は多そうですが、作品としてはそれなりにコメディやパロディとしての味付けも問われます。こういうカテゴリはGW前に公開するべきだったかなーとか思わないでもないです。外出自粛の方とかもご参考にしていただければなと。
一時期この手のマンガが急に増えた時期があり(2017年くらい)、ちょうどこのサイト作った時期でマンガ読むのに忙しく、バーフバリもハイローもまだ見てない(執筆時点)ので、個人的にも読んで宿題増やされた感あります。

木根さんの1人でキネマ(アサイ)

対外的にはできる女の擬態をかぶり、その内側にはゾンビ・アクション映画へのだいぶ偏った愛情を秘める木根真知子(三十代・独身)。今日も休日を費やしてひとりで映画鑑賞にいそしもうとする彼女のもとに、なぜかほとんど映画に興味のない同僚・水城香澄が押しかける。水城から見ると木根の行動は謎だらけだが、彼女には彼女の理屈がいろいろと……こじらせマニアの日常を描く一話完結コメディ。

木根さんの1人でキネマ

2本目”バッドボーイズ2バッド”(1巻収録)より

「映画」の紹介もしますが、むしろ「映画ファン」というめんどくさい生物の生態・あるあるネタで読ませる作品です。若干久米田康治作品っぽさもある。
「映画のありがちなネタ」への理解プラス、人間ドラマも意外と深い。4巻がかなり好き。1巻ではいまいちノレず挫折しかけましたが、読み続けると面白かったです。


あと幼女がかわいいです。エクソシスト録画したくて親を騙す幼女とか、シチュエーションだけで割と刺さる。
映画紹介ものとしてはやや先発、その後のブームにつなげた功労者です。「ヤングアニマル」で2014年連載開始、2015年「ヤングアニマルDensi」、2017年「マンガPark」に移籍。

試し読み マンガPark

【オススメ】シネマこんぷれっくす!(ビリー)

映画ばっかり見てきたせいで、映画みたいな青春に人一倍憧れを持つ高校一年生・熱川鰐人。色々あって迷い込んだ映研(通称・死ね部)で彼を待つのは、不毛かつ面倒な議論を好む映画オタクの先輩たち。
せめて自主製作映画を作るという彼の目標もうやむやにされ、果たして熱川は彼の憧れる「青春」を目指すことができるのか? それとも、彼自身厄介な映画オタクとして染め上げられてしまうのか?――

シネマこんぷれっくす!

3本目”ジャッキー/カンフーレディ”(1巻収録)より

映画愛を流し込んで固めた「あつまれ!ふしぎ研究部」といった感じ。ゴリゴリの映画ネタを展開しつつ、個性的なキャラの掛け合い漫才が主軸、ラブコメもあるキャッチーな作品。女の子がみんなパカーッと笑うのがかわいい。
「男はつらいよ」を全話見るとか、たまに狂ってる回があるのもポイント高い。


割と定番な映画の話題が多いですが、クソ映画、マイナー映画の話も大量にあり、読めば(色んな意味で)興味ある映画が何本も見つかることは保証します。「月刊ドラゴンエイジ」で2017~2020年連載、全6巻で完結

類似作 あつまれ!ふしぎ研究部(安部真弘)、邦キチ! 映子さん(服部昇大)

試し読み ComicWalker

邦キチ! 映子さん(服部昇大)

ちょっとニヒルな17歳・小谷洋一は、「映画について語る若人の部」を設立し、大好きな映画を語る同志を求めていた。そこに「映画の好みがマニアック」と断りつつ現れたのは1年生の邦吉映子、その好みはいずれ劣らぬ怪作揃いで小谷も引くレベル。世に知られぬ迷画たちの「どこが好きか」を熱弁する、話題の邦画プレゼンマンガ。

概ね映画の中の見どころをつまみ食い的に紹介するマンガなんですが、特に初期は映画自体のB級率が非常に高いのでそれだけでギャグとしてかなり面白くなっています。「見てない人」にツッコませ、テンション高いギャグ漫画に仕立てる手腕はさすがの服部先生。


「ただ好きな映画の好きなシーンを言ってたら、純粋に目の付けどころがヤバい」という作りもうまい……というか、服部先生がそうなのか……。意外と批評的に鋭いこと言うこともちらほら。「スピネル」で2017年~連載。

試し読み スピネル

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